
プロセスのマネジメントは、誰が担うのか?
2007/7/13
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これまでにさまざまな著者たちがプロセスマネジメントについて、最近ではプロセスガバナンスについて述べてきた。本稿の執筆に当たり、私たちはまず、ビジネスプロセスに登場する種類の異なるマネジメントの役割を書き出してみた。
最も重要な相違点は、日々、企業を運営しているマネージャ(ビジネスマネージャ)と、特定プロセスの変更を目的とするプロジェクトのマネージャ(プロジェクトマネージャ)との間にある。個々人を見れば、たまたま両方のロールを担っている人もいるかもしれないが、これらはまったく異なる役割概念である。
ビジネスマネージャ
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マネージャというものは(ある理論によれば)、自分の組織のプロセスや機能を計画し、組織し、リードし、管理する。マネージャたちは通常、CEOまたはプレジデントをトップに、さまざまな“CxO”や副社長を配する、いくぶん形式的な階層に配置されており、彼らにレポートすることになっている。これらは機能上の役職であって、一般に型通りの組織図に表される。
ほとんどの企業は伝統的に、機能単位または部門単位でビジネスマネージャを組織してきた。すなわち、ヨーロッパ部門と北アメリカ部門があり、各部門には生産、営業、マーケティング、経理、IT、そして人事の副社長がいるわけだ。
プロセス理論家は、シニアマネジメントが企業を組織する方法として、プロセスを利用することを提唱している。プロセスの観点からすると、企業というものは商品やサービスを生産する多数のバリューチェーンから成り立っている。商品やサービスのアウトプットから逆向きにたどれば、これらのアウトプットを設計し、開発し、製造し、販売し、配送するすべてのビジネスプロセスを、システマチックに特定することができる。この観点から、マネジメント階層にバリューチェーン担当副社長が登場した。この人物は、新商品開発、サプライチェーン、営業やマーケティングなど、バリューチェーン上の主立ったサブプロセスからの報告を受ける。さらに、人事やITなど何らかの支援系のプロセスが特定のバリューチェーンを支援している以上、恐らくそこからの報告をも受けるであろう。
今日の大多数の企業は、形式的、または非形式的なマトリクス構造を持っている。そこには、機能的・部門的なマネージャ(生産担当副社長、営業担当副社長など)とプロセスマネージャ(しばしばビジネスラインマネージャ=Line of Business managersと呼ばれる)がいる。マトリクス構造の素性は、どのマネージャが予算を持つかとか、どのマネージャが社員の配置権限を持っているか、などといった項目により定まってくる。
そこには、明らかに、かなりの重複が存在する。通常、営業担当副社長がいて、さらに、特定のバリューチェーン上の営業プロセスに責任を持つ人物がいる。図1は、3つの機能部門と主力商品プロセス担当の取締役を持つマトリクス組織を示している。
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| 図1 マトリクス組織と一部のビジネスマネージャ |
この例では、主力商品プロセス担当取締役がプロセスマネジメントチームを主宰し、主力商品のバリューチェーン上の各プロセスの責任者であるマネージャすべてと会談する。営業主任は営業担当副社長に報告するとともに、主力商品バリューチェーンチームにも属している。従って、営業主任職に就く人物は2つの役割を持つビジネスマネージャである。彼は営業担当副社長の部下であり営業部門のポリシーとゴールを実現する責任があり、さらには、チームで働くビジネスプロセスマネージャであり、そのチームは主力商品バリューチェーンが可能な限り効率的そして効果的に流れるよう保証する責任を持つのだ。
部門グループがバリューチェーンの全体効率を下げる方向のポリシーを実現しようとした場合、または、その裏返しの場合に、決まって対立が発生する。ここで、さらにそれを掘り下げる時間はない。しかし、マネージャたちはすべてビジネスマネージャであり、日々の企業のオペレーションに責任を持っているとだけいえば十分だろう。
プロセスプロジェクトマネージャ
マネージャのもう1つのグループは、現在のプロセスを変更したり、改良したりする役割を担うマネージャたちだ。彼らは、継続的なプロセス変更のアクティビティに責任を持つ専門家であり、あるいは特定のプロセス変更プロジェクトのために採用された人物である。図1を見れば、プロセスアーキテクチャ委員会(これは、BPMグループ、あるいはシックスシグマ調整委員会と呼ばれるかもしれない)という幹部組織が設置されているのに気付くだろう。通常、このグループは、ビジネスマネージャが率いており、プロセスのパフォーマンスを監視し、プロセス再設計や改良の好機を特定することに責任を持つ。このグループの活動の1つは、プロセス変更の機会を優先し、プロセス変更を請け負うチームを構成することである。これにより、第2のマネージャのグループである、特定のビジネスプロセスを再設計または改良する責任を負うプロジェクトマネージャたちが登場することになる。ほとんどのプロジェクトがそうであるように、プロセス変更プロジェクトはプロセス変更計画を作成し実施し、そして完了する。
徐々に「プロセスガバナンス」という用語が、BPMグループのプロセスマネージャとプロセス再設計または改良チームのマネージャの役割を示すために利用されるようになってきた。図2に、典型的なプロセス再設計プロジェクトと、誰かがマネジメントして完遂させるよう努力しなければならないタスクを示す。
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| 図2 プロセス再設計プロジェクトにおけるマネジメントの役割 |
プロセス再設計に関して多くの書籍が出版されており、そのほとんどは、優秀なマネージャがプロセス再設計または改良の試みを成功に導くために必要なスキルやアクティビティを述べている。
| Page1 ビジネスマネージャ プロセスプロジェクトマネージャ |
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| Page2 2種類のマネジメントの交わり |
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- 第2回 CEOはどう考えるか
- 第3回 BPM市場のこれからを読む
- 第4回 BPMの神秘を解明する
- 第5回 プロセスのマネジメントは、誰が担うのか?
- 第6回 BPMのビジネスケースづくり(前編)
- 第7回 BPMのビジネスケースづくり(後編)
- 第8回 第3のプロセス − マネジメントプロセスとは何か?
- 第9回 BPMに求められるプロジェクトマネジメント・スキル
- 第10回 ビジネスプロセス改革と3つのイノベーション
- 第11回 BPMプロジェクト成功の鍵[1] - コアアプローチ
- 第12回 BPMプロジェクト成功の鍵[2] - 推進組織と機会特定
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