敵は大企業にはびこる縦割り組織と恋の距離感(第1話)目指せ!シスアドの達人−第2部 飛躍編(1)(3/3 ページ)

» 2006年11月30日 12時00分 公開
[小山俊一(シスアド達人倶楽部),@IT]
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坂口が来られないシスアド勉強会に谷田は……

深田 「坂口さん、全然来ないですねぇ。おそーい」

谷田 「やっぱり、本社のお仕事が忙しいのかなぁ……」

 ここは、西新宿にあるサンドラフトサポートの会議室。坂口の古巣だ。

 入口には坂口が手書きした「目指せ!シスアドの達人?勉強会会場?」の貼り紙がされている。

 この勉強会は、サンドラフトサポートでの坂口の活躍やプロジェクトの成功に刺激された谷田や深田たちが、「初級シスアド」の合格を目指して始めたもので、本社へ出向した坂口も顔をのぞかせて、谷田たちの勉強を支援していた。

 今日は坂口が本社に出向してから2度目の勉強会になる。谷田、深田、松下、水元、そして福山らが出席していた。1度目は坂口も駆け付けて谷田らに勉強を教えていたが、今回はまだ姿を見せていない。坂口はプロジェクトの計画書作成に追われ、勉強会の時間もまだ本社で仕事をしていた。

 谷田は、本社に行ってしまった坂口との距離を感じ、不安で胸が苦しくなるのを覚えていた。坂口がサンドラフトサポートにいたころは、谷田もプロジェクトに参加していたこともあり、連日坂口と話す機会もあったが、坂口が本社に出向してからはこの勉強会ぐらいでしか坂口と会える機会がなく、谷田はこの勉強会をとても楽しみにしていたからだ。

谷田 「坂口さん、きっと本社で頑張ってるんだろうなぁ。私も頑張らないと……」

 谷田は坂口と会えない寂しさを紛らわすために、初級シスアドのテキストを開いて黙々と勉強に打ち込むのだった。


◆次回予告◆

 第1部の坂口は、サンドラフトサポートの東京本社において、「新営業支援システム開発プロジェクト」を担当しました。プロジェクトでは師匠の豊若に助けられつつもさまざまな困難を乗り越え、何とか成功させました。さらに、プロジェクトでの活躍が認められ、異例となる親会社への逆出向を果たしました。

 第2部は、親会社であるサンドラフトビール本社に新設された「IT企画推進室」に配属されるところから始まります。しかし、本社は大企業らしく、縦割り組織の雰囲気が漂っています。果たして坂口は、縦割り組織の慣習をくつがえし、新たな血を入れることができるのでしょうか?

 次回では、いよいよ副社長西田の思惑が判明するほか、プロジェクトのキックオフミーティングが開催されます。お楽しみに!!

「目指せ!シスアドの達人-第2部」の登場人物関係図

ALT 「目指せ!シスアドの達人-第2部」の登場人物関係図
(クリックで拡大)

IT企画推進室

室長 名間瀬 勝也(なませ かつや) 46歳


主任 坂口 啓二(さかぐち けいじ) 31歳


社員 伊東 敦史(いとう あつし) 24歳


今回登場メンバー
(注:SD=サンドラフト、SDS=サンドラフトサポート)

SD 副社長 西田 義行(にしだ よしゆき) 59歳


SD 専務取締役兼CIO IT企画部長 佐藤 光一(さとう こういち) 52歳


SD 営業企画部長 天海 有紀(あまみ ゆうき) 39歳


SDS アシスタント 谷田 亜紀子(たにだ あきこ) 27歳


SDS 総務部 深田 祐子(ふかだ ゆうこ) 24歳


筆者プロフィール

シスアド達人倶楽部

「シスアド達人倶楽部」は、経済産業省が実施する情報処理技術者試験の1つ、上級システムアドミニストレータ試験の合格者9名で構成される執筆チーム。本連載「目指せ! シスアドの達人」は、シスアドの日常を知り尽くしたメンバーが、シスアドの働く現場をリアルに描くWeb小説だ。

執筆メンバー9名は、上級システムアドミニストレータ試験合格者と試験合格を目指す人々で構成される任意団体:上級システムアドミニストレータ連絡会(JSDG)の正会員。


小山 俊一(こやま しゅんいち)

上級システムアドミニストレータ連絡会副会長。コンサルティング会社勤務


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