連載
目指せ!シスアドの達人−第2部 飛躍編(2)


第2話
ワガママほーだい幹部の調整に苦しむ坂口は……

シスアド達人倶楽部
小山 俊一

2006/12/14

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西田副社長の真意が明らかに……

 キックオフミーティングが終わった夕刻。

 夕日で赤くなった空が窓に映し出されてきれいな副社長室に、背の高い1人の男性が西田を訪ねてきていた。

 マキシムアンドコンサルティングの豊若越司だ。豊若は、サンドラフトサポートのプロジェクトで、坂口を陰で支えた上級シスアドである。

豊若 「西田さん、ごぶさたしてます」
西田 「久しぶりだな、豊若君」

 笑顔で迎え入れる西田。

豊若 「近くまで来たのでごあいさつを、と思いまして。坂口を本社に出向させたそうですね」
西田 「耳が早いね。本社の生産管理システムを再構築してもらおうと思ってね」
豊若 「坂口にサンドラフトサポートの経験を生かさせることが目的……。それだけですか?」

 西田が一転、まじめな顔つきに変わった。

西田 「鋭いね、豊若君。実はな、本社には問題があってな」
豊若 「……根強いセクショナリズム、ですね。」
西田 「ふむ。今回の生産管理システムの再構築で、他部門との連携に着手することで、それを改善したいと考えておる」
豊若 「そこで、本社の色に染まっていない坂口に白羽の矢を立てた?」
西田 「そうだ。坂口は成長盛りだ。これぐらいの経験をしてもらうと、これからのサンドラフトにとって、ますます必要な人材へと成長してくれることだろう」
豊若 「期待されているんですね」
西田 「もちろんだ。期待、という意味では伊東もだ」
豊若 「伊東?」
西田 「今回、坂口の下に社会人3年目の伊東を付けた。伊東はどうしようもないやつだが、“ド”の付くほどまじめなやつだ。彼には坂口と一緒に仕事をさせて刺激を与えることで、坂口のような人材を目指すようになってくれることを期待しとる」
豊若 「なるほど。伊東の成長と、坂口の指導力養成も兼ねているということですね」
西田 「相変わらず頭が切れるな、豊若君は」
豊若 「西田副社長もシスアドの重要性が分かってこられたんですね」
西田 「そういうことだ。ところで豊若君、今回のプロジェクトは、前回のサンドラフトサポートのときとは比べものにならないぐらい規模がでかい。当然、彼らも苦労すると思う。何かあったら、また裏でサポートしてやってくれないか?」
豊若 「僕も坂口には期待していますので、喜んで」
西田 「もしプロジェクトが難航したら、正式に君をコンサルタントとして招聘(しょうへい)しようと考えとる。いまはもう少し様子を見ようと思っとるが、そのときはよろしく頼むな」
豊若 「はい。まずは難航しないことを祈っています」
西田 「そうだな。別の案件でも君にお願いしたいことがあるので、それはまた時期が来たら、相談させてもらうよ」
豊若 「お待ちしております。それでは」

 豊若が去った後、西田は沈む夕日を窓からしばらく眺めていた。

◆次回予告◆

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 坂口は新生産管理システム構築プロジェクト提案者である西田副社長に会いにいくものの、例によって「パチパチ、ピッでドーン!!」というイメージしか聞き出せなかった。困った坂口は、まずはキーメンバーを集めて課題を洗い出すことにする。

 しかし、キックオフミーティングでは、CIOの佐藤や営業企画部長の天海のワガママに振り回されることになり、早くもプロジェクトは前途多難な雰囲気に……。

 次回は、いよいよ各部門へのヒアリングによってプロジェクトが動き始める。しかし、非協力的な現場に戸惑う坂口。一方、久々に坂口と谷田は2人で食事をすることになるが……。

◆参考◆
西田副社長の「パチパチ、ピッでドーン!!」とは?(第1部第3話より)
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「目指せ!シスアドの達人-第2部」の登場人物関係図
(クリックで拡大)

IT企画推進室
室長 名間瀬 勝也(なませ かつや)
46歳
主任 坂口 啓二(さかぐち けいじ)
31歳
社員 伊東 敦史(いとう あつし)
24歳
今回登場メンバー
(注:SD=サンドラフト、SDS=サンドラフトサポート)
SD 副社長 西田 義行(にしだ よしゆき)
59歳
SD 専務取締役兼CIO
IT企画部長
佐藤 光一(さとう こういち)
52歳
SD 営業企画部長 天海 有紀(あまみ ゆうき)
39歳
配送センター副センター長 岸谷 小五郎(きしたに こごろう)
42歳
製造部主任 藤木 直哉(ふじき なおや)
34歳
情報システム部主任 八島 秀樹(やしま ひでき)
36歳
マキシムアンドコンサルティング シニアコンサルタント 豊若 越司(とよわか えつし)
39歳

筆者プロフィール
シスアド達人倶楽部
「シスアド達人倶楽部」は、経済産業省が実施する情報処理技術者試験の1つ、上級システムアドミニストレータ試験の合格者9名で構成される執筆チーム。本連載「目指せ! シスアドの達人」は、シスアドの日常を知り尽くしたメンバーが、シスアドの働く現場をリアルに描くWeb小説だ。
執筆メンバー9名は、上級システムアドミニストレータ試験合格者と試験合格を目指す人々で構成される任意団体:上級システムアドミニストレータ連絡会(JSDG)の正会員。

小山 俊一
(こやま しゅんいち)
上級システムアドミニストレータ連絡会副会長。コンサルティング会社勤務
■要約■
新生産管理システム構築プロジェクト提案者である西田副社長に会いにいく坂口。そこで西田に真意を聞くも、相変わらず「パチパチ、ピッでドーン!!」というイメージしか伝わってこなかった。そこで、坂口は現状分かっている範囲でプロジェクトを進めるため、キーメンバーを集めて課題を洗い出すことにする。

そして、主要メンバーを集めたキックオフミーティングでは、早くもCIOの佐藤や、営業企画部長の天海のワガママに振り回されることになる。頼りの上司・名間瀬も、トラブルを恐れて、ワガママを聞き入れる始末で坂口は途方に暮れる。

一方、西田は豊若に「坂口には本社に根強く存在するセクショナリズムを新しい風で吹き飛ばしてほしい」という真意があることを打ち明ける。伊東に対しても、坂口の下に就くことで刺激を受けて伸びてほしいという深い思惑があった……。

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ワガママほーだい幹部の調整に苦しむ坂口は……
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西田副社長の思惑を聞き出そうとするが……
  Page2
キックオフの事前打ち合わせの段階から怪しい雰囲気が……
  Page3
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)するキックオフミーティング
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西田副社長の真意が明らかに……

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