第1話
坂口リターンズ!! 今度は使えるマニュアル編
2006/9/7
マニュアルの作成手順はシステム開発と同じ!?
松嶋が勧めるセットメニューを2人でオーダーし、坂口は早速状況の説明を始めた。
- - PR -
坂口としては、1度使ってみれば、きっと電子会議室の魅力を分かってもらえると確信している。しかし、その「1度使ってみる」という機会を作るのが難しいことも、東京本社に来てから身をもって知っていたのだ。コンピュータ嫌いだった先輩の松下をうまく引き込めたように、皆を巻き込むには、どうしたらいいのだろうか。
ただでさえ忙しいメンバーのこと、それぞれが自分の都合に合わせて操作を覚えられるように、分かりやすい操作マニュアルがあったらどうだろう、とも考えたのだが。
| 坂口 | 「ウチの電子会議室は市販ソフトを使っているから、マニュアルは付いているんです。だけど、何だか分かりにくくて。いまのままじゃ、マニュアルを読んでくださいっていうのは、逆効果になりそうな気がするんですよ。じゃあ、分かりやすく書き直そうかとも思ったんですけど、どうすれば分かりやすいと思ってくれるのかって考え出したら、先に進まなくなってしまって……。マニュアルを作った経験がないんで、どこから手を付けたらいいのかも分からないし、もうお手上げ状態なんです」 |
松嶋は軽くうなずいて、口を開いた。
| 松嶋 | 「なるほどね、そうか……。ねぇ、坂口さん。あなたはマニュアルを使うとき、まずどこから読む?」 |
| 坂口 | 「えっ? そうだなぁ……。索引からキーワードを探すことが多いです」 |
| 松嶋 | 「そうね、索引は便利だから、そこから探す人は多いわね。だけど……実はね、マニュアルを活用するコツは、“まえがき”と“目次”にあるの」 |
松嶋によれば、マニュアルの作成手順は、「要件定義」「設計」「開発」「テスト」の順になっているのだという。
| 坂口 | 「へぇ〜、そうなんですか!? それじゃあ、システム開発みたいですね!」 |
| 松嶋 | 「えぇ、そうでしょう? “要件定義”の作業は、“企画”と呼ばれることが多いけど、目的はほぼ同じと考えていいと思うわ。でも、あまり難しく考えなくてもいいのよ。例えば、“企画”は、いつ・誰が・何のために読むマニュアルなのか、ということを決める作業なの。何の役に立つマニュアルを作るのか、その目的を決めるってことね。“設計”は、“企画”で決めた目的を満たすのに必要な情報を集めて見出しを付け、並び順、つまり構成を考えることだと思ってね」 |
| 坂口 | 「いわれてみれば、企画書だって提案書だって、同じ手順を踏みますね。誰に何を伝えたいかを決めて、情報収集して、整理して。そうかぁ……、マニュアルだけ特別なわけじゃないんですね!」 |
マニュアルの作成手順 |
![]() |
松嶋は、さらに説明を続けた。“企画”で決めた事柄は、マニュアルの“まえがき”に記載される。例えば、マニュアルの主な対象者をとってみても、前提として持っている知識、管理者や利用者といった役割、何を知りたいと思っているか、などを想定して企画書に書いたら、それをまとめて“まえがき”にするのだ。一方、“設計”段階で決めたことが“目次”になる。
マニュアルの仕組みを知ることが、
分かりやすいマニュアル作りの第一歩
ここまで聞いて、坂口には松嶋の意図が見えてきた。マニュアルの仕組みを知ることが、分かりやすいマニュアル作りの第一歩になるかもしれない。
| 坂口 | 「じゃあ、“まえがき”で想定している対象者と、今回のメンバーを比較して、違いがある場合は、今回のメンバーに合わせた形に書き直すのが良さそうですね。“目次”を見て全体の流れが分かれば、必要な情報を絞り込むこともできそうだ」 |
| 松嶋 | 「そのとおり! イメージができてきたみたいね」 |
| 坂口 | 「いままで、意識して“まえがき”や“目次”を見たことがあまりなかったかもしれません。今度からは、ちゃんと目を通すようにしてみます!」 |
せっかく付いてくるマニュアルだから、うまく活用しないともったいないものね、と笑う松嶋に、なるほど、とうなずく坂口だった。
![]() |
坂口にも身に覚えがあるのだが、最初に開いたページに欲しい情報がないとがっかりして、そこであきらめてしまったことも多い。だから、索引から調べる場合でも、ページを開いた後に、必ずそのページで説明されている項目の見出しを確認して、何を説明している個所かをつかむのが、探している情報のヒット率を上げるコツだという。
松嶋にマニュアル作りのさまざまなポイントを教わった坂口は、気の早い性分を出し、すぐにでもコツを試してみたくなっている。しかし、問題はそんなに簡単ではないようだ……。
◆次回予告◆
松嶋にマニュアル作成のコツは、システム開発などと同様に「要件定義」「設計」「開発」「テスト」にあると知った坂口。それを知った坂口は、早くもマニュアル制作に取り掛かりたがるが……。
次回坂口は、松嶋からさらにマニュアル作りのポイントを教わります。また、PC嫌いの社員に対して「まず1度使わせてみる」という点についても、松嶋の誘導で良いアイデアが思い付くようです。一方、坂口を思う谷田は、坂口と松嶋の関係を疑い始めて……。
「目指せ!シスアドの達人」登場人物関係図 (番外編の坂口回想中時点のもの:クリックで拡大) |
![]() |
|
東京本社・営業1課 メンバー構成
|
|||
| 課長 | 浜崎 雅則(はまざき まさのり) |
43歳
|
|
| 課長代理 | 江口 章輔(えぐち しょうすけ) |
38歳
|
|
| 主任 | 椎名 純平(しいな じゅんぺい) |
33歳
|
|
| 主任 | 坂口 啓二(さかぐち けいじ) |
30歳
|
|
| チーフアシスタント | 松下 真樹(まつした まき) |
35歳
|
|
| アシスタント | 谷田 亜紀子(たにだ あきこ) |
26歳
|
|
| アシスタント | 水元 優香(みずもと ゆうか) |
24歳
|
|
| 営業部 部長 | 田所 譲司(たどころ じょうじ) |
50歳
|
|
| 上級シスアド | 豊若 越司(とよわか えつし) |
38歳
|
|
|
今回登場メンバー
|
|||
| 人材開発部主任 | 松嶋 七海(まつしま ななみ) | 37歳 |
|
| 配送センター主任 | 木村 俊哉(きむら としや) | 32歳 |
|
| 配送センター副センター長 | 岸谷 小五郎(きしたに こごろう) |
41歳
|
|
| 製造部主任 | 藤木 直哉(ふじき なおや) |
33歳
|
|
| 情報システム部主任 | 福山 雅人(ふくやま まさと) |
36歳
|
|
坂口は本社へ栄転後も初級シスアド勉強会に出席し、定期的に前の職場へ足を運んでいた。そんなとき、配送センターの木村に会い、坂口が作ったマニュアルを褒められる。坂口はいまでこそ、マニュアル作りの達人になりつつあったが、それは1年前に電子掲示板マニュアル作成で苦労したからだった。坂口は当時を思い返す。
1年前坂口は電子掲示板を営業システム構築プロジェクトのメンバーに使ってもらうために試行錯誤していたが、パソコンをほとんど使わない岸谷などに反対されてしまう。困った坂口は豊若に相談し、マニュアル作りの達人である松嶋を紹介してもらった。
松嶋はマニュアルは、システム開発や企画書作りと同じ「要件定義」「設計」「開発」「テスト」の順番で作るという。そして、中でも「まえがき」と「目次」が重要であると説明した。
| Page 1 マニュアル作りの苦労を乗り越え、マニュアルの達人になっていた坂口 1年前を思い出してみると…… |
|
| Page2 マニュアルの作成手順はシステム開発と同じ!? マニュアルの仕組みを知ることが、分かりやすいマニュアル作りの第一歩 |
目指せ!シスアドの達人番外編 バックナンバー 連載インデックスへ»
- 第1回 坂口リターンズ!! 今度は使えるマニュアル編
- 第2回 マニュアル作りに燃える坂口、でも本当に必要なの?
- 第3回 大失敗する坂口、そして和解する女2人
- 最終回 上司にITを使わせる秘訣は1ページのマニュアル!?
ホワイトペーパー(TechTargetジャパン)
|
|
キャリアアップ
スポンサーからのお知らせ
- - PR -





