5分で絶対に分かるCRM5分で絶対に分かる(5/6 ページ)

» 2007年09月27日 12時00分 公開
[齋藤孝太,株式会社SIS(ストラテジック インテリジェント システム)]

4分 − これからのCRMシステム導入のポイント

 では、本来あるべきCRMを実現するためには、どんなシステムをどのように導入すればよいのでしょうか。

 いままでクライアント企業に提供されてきたCRMのシステムやツールの多くは、顧客購買データ管理・SFAデータマイニングテキストマニングなどに代表される、企業の本部が主に分析やマネジメント用途で利用するものでした。これらについては、個々の製品の精度はある程度のレベルまで高まっています。

 今後は、本部だけではなく現場でのマーケティングアクションを十分に見据えた、販売やビジネスの現場で活用できる、いわゆる「アクション系」のCRMシステムの精度向上が大きな課題になります。それは、顧客へのきめ細やかなアクションの実行、売り上げアップにダイレクトにつながるシステムです。いままでのCRMシステムは、この部分が弱かったのです。

 「本部が活用する分析・マネジメントのためのCRMシステム」と、「現場が活用するマーケティング機能を持つCRMシステム」の高レベルでの融合が、今後のCRMシステム導入のポイントになります。例えば、本部でデータマイニングを行った結果、実際に現場でどのようなアクションを起こせばよいのか(接客、イベント、売り場作りなど)リアルタイムで提示できるようなシステムが望まれています。

 本部でデータマイニングを駆使してどんなに高度で複雑なデータ分析を行ったとしても、その結果現場に届くのは優良顧客のリストだけでは売り上げアップの成果にはつながりません。“本部の部分最適”のCRMシステムから、“本部と現場の全体最適”のCRMシステムへ、これからのCRMシステム導入の重要な視点になります。なぜなら、CRMの本質は、「企業と顧客の関係性の創造」にあるからです。

 具体的にどんな新しいマーケティングアクションが販売現場で実践できるのか。その問いについて十分考慮を重ねたうえで、CRMシステム導入を考えるべきでしょう。

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