連載
マーケティング入門〜売れる仕組みの作り方〜(6)


“顧客基点”が、売れる仕組みを作るコツ

斉藤 孝太
株式会社SIS(ストラテジック インテリジェント システム)

2008/11/6

第5回1 2 3次のページ

競争は激しく市場は縮小している。しかし過酷な環境の中でこそ基礎力の高さがものをいう。「マーケティング」という言葉の定義から、戦略の考え方まで、基礎を徹底解説してきた本連載も最終回。今回は総仕上げとして基礎中の基礎、「顧客起点」の考え方を解説する(→記事要約<Page3>へ)

シェアは伸びても、売り上げがダウンする時代

 今年3月から始まった本連載ですが、いよいよ今回で最終回です。「マーケティング」という言葉の定義から、その実践方法まで、関連するITツールにも触れながら話を進めてきましたが、いかがでしたでしょうか。今回は基礎知識の総仕上げとして、第5回『 “最後のひと押し”販促策で、売り上げが決まる!』までに紹介したマーケティングの4Pを踏まえて、今後求められる「顧客基点のマーケティング4P」についてお話したいと思います。

 さて、まずは「顧客基点のマーケティング4P」がなぜ重要なのか、についてですが、それは最近の市場状況をみれば明らかでしょう。例えば経済産業省の商業統計によると、小売業全体の販売額は、1997年の147兆8000億円を境に縮小を続け、2007年には133兆3000億円にまで落ち込みました。ここ10年で実に10%も縮小したことになります。高度経済成長最終期の1976〜1982年の6年間は68%、バブル時代を含む1985〜1991年の6年間では37%もアップしていたわけですから、それに比べると大違いです。

 市場全体の伸びが顕著だった1991年までは、競合他社に比べて市場シェアを落としていたとしても、自社の売り上げ自体は毎年成長を続けることができた、とても恵まれた時代でした。ところが現在は、市場シェアが上がったとしても、売り上げがダウンする例が数多くみられます。“出せば売れる”時代は、とうの昔に過ぎ去ったのです。

「お客さまが喜んでくれることは何なのか」

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 では、このような時代に求められるマーケティングとは、いったいどんなものなのでしょうか。それは「企業基点」ではなく「顧客基点」のマーケティングです。

 「顧客基点」とは、企業が商品を提供することで、「お客さまに心地よくなってもらう」「喜んでもらうことで売り上げを増やす」といった発想を大切にすることです。

 現在は消費者1 人1人の価値観が多様化しています。加えて、SNSや口コミサイトの浸透により、Web上で商品情報を豊富に得られることから、モノをみる目が高い“賢い”消費者がますます増えつつあります。ただでさえ競合企業が多く、商品の性能・品質もますます均質化している中、企業側の視点だけで商品を開発・販売したところで、消費者の支持を獲得するのは容易ではありません。自社商品のシェアと売り上げ向上を狙うためには、もっと消費者に歩み寄ることが求められます。

 つまり、「売り上げを増やすには、どうすればよいのか」という発想から、「お客さまが喜んでくれることは何なのか」という発想に切り替えることが大切なのです。商品の開発・販売をはじめ、自社のビジネスを考える際は、すべてそうした発想からスタートし、利益や売り上げのことは、その後で考える姿勢が求められるでしょう。従って、マーケティングの4Pも「顧客基点」で考える必要があるというわけです。

 ここでは、マーケティングの4P──商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販売促進(Promotion)のそれぞれについて、具体的な事例を挙げながら、「顧客基点」の考え方 をお話していきます。普段、誰もが1人の顧客として接しているような事例を紹介しますので、消費者の立場に立って、あるいは自社だったらどうアレンジすれば使えるのか、ぜひ考えてみてください。

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“顧客基点”が、売れる仕組みを作るコツ
→ Page 1
シェアは伸びても、売り上げがダウンする時代
「お客さまが喜んでくれることは何なのか」
  Page 2
商品(Product)──ニーズを着実にキャッチし、合理的に盛り込む
価格(Price)──消費者の立場に立って値付けする
 

Page 3
流通(Place)──便利さ、楽しさを追求する
販売促進(Promotion)──消費者の心中を察する
戦略は、アクションに落とし込んでこそ意味がある



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