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連載
情マネ流マーフィーの法則(1)


マーフィーの法則がIT版になって帰ってきた!

木暮 仁

2006/9/20

懐かしのマーフィーの法則が、情マネ流にアレンジされて帰ってきました。自らSEを経験し、人気連載「システム部門Q&A」の筆者でもある木暮氏が長年蓄積してきたIT分野の法則を、現代風にアレンジして紹介していきます。

【連載を始めるに当たって】

失敗する可能性のあるものは、失敗する

 「マーフィーの法則(Murphy's Law)」をご存じでしょうか? 上記に代表されるように、ユーモアと洞察に満ちた経験則を集めたものです。蛇足ですが、自己啓発や成功哲学で有名な「マーフィーの成功法則」とは別のものです。

 このマーフィーの法則は、1940年代に米空軍基地で流布したのが起源だといわれています。その後、1977年にいろいろな法則を集めたアーサー・ブロック(Arthur Bloch)著「Murphy's Law and Other Reasons Why Things Go Wrong」が出版され、1980年代には日本にも上陸し、技術者の間で話題となりました。さらに、1990年代にアスキーが取り上げたことで大ブームが起こり、「○○の法則」が流行しました。

 私もこれが好きで、自分なりにIT分野での法則を作ってきたのですが、振り返るとレガシー時代の色あせたものになっていました。そこで、ここではそれを現在風にアレンジして紹介していこうと思います。例えば後掲のような「法則」を紹介する予定です。

 また、皆さまが発見した法則を。それも掲載させていただきます(他人のふんどしで稼ぐ、それをいまではマッシュアップともいうのですが)。

 なお、この種の「法則」には似たようなものもあるかと思いますが、筆者なりの解釈・解説を加えたものとして発表しております。また、法則発見者の趣旨を曲解しているものもございますので、あらかじめご了承ください。



女房と畳は新しい方がいい、という方へ


情マネ流マーフィーの法則その1
新しいアプローチは、新しいトラブルを生む

 レガシーシステムを放棄してオープンシステムにしたら、サーバのはんらんになってしまった。その結果、全体的に無駄が多くなってしまったため、仮想化技術が話題になっている。この技術はレガシーシステムでは1980年代に確立していたのだが……。

 プログラムを部品化して再利用するために、OOA(Object‐Oriented Analysis:オブジェクト指向分析)を採用したら、そのオブジェクト(クラス)の管理が大変になってしまった。

 個々のプログラマが、同じような機能のオブジェクトを作成している。一方で、SOAを取り入れたら個々のサービスを探すのが大変になるし、サービスの粒度がまちまちで、複雑怪奇なシステムになってしまう。

 データウェアハウスを導入したとする。データを正規化して提供しようとすると、ユーザーはジョインが理解できない。教育が必要になるし、サポート対応が大変になる。そしてまた個別処理メニューの提供に戻るのだ。それならいっそのこと、情報システム部門で帳票類を作成し、配布した方が簡単だということになるのだ。

情マネ流マーフィーの法則その2

情報システムの開発では、計画時の2倍の費用と2倍の時間がかかり、1/2の機能しか実現しない

「222の法則」(作者不明)

 これは、1970年代にSE仲間の間でいわれていた法則だ。

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 単なる自虐的なものかと思っていたら、スタンディッシュ・グループの「The CHAOS Report:1994」によると、情報システム開発で、成功(費用・納期・機能すべてが計画値を満足)したものは16%、不成功(いずれかが不満足)が53%、開発がキャンセルされたのが31%であり、不成功とキャンセルされたものの平均は、費用オーバーが189%、納期遅延が222%、機能達成率が53%であったという。まさに222の法則だ!

 この数値は改善されつつあり、同社の2004年の調査では成功29%、不成功53%、キャンセル18%になっている。日本での調査(日経コンピュータ、2003年)では、成功が26.7%だという。成功率の理論的上限は30%だという説もある。


情マネ流マーフィーの法則その3
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを遅らせる

 プロジェクトマネジメントが花盛りで、PMBOKの採用が重視されている。

 ところが、プロジェクトマネージャは、PMOへの書類作成や説明に忙殺され、プロジェクトをマネジメントするゆとりがない。

 プロジェクトマネージャがPMBOKが示す、すべての文書の作成を要求するので、プロジェクトのメンバーはその文書作成のために、本来の業務時間が圧迫されている。

参考文献(あまりにも多いので、1著者につき1図書を挙げています)

筆者プロフィール
木暮 仁(こぐれ ひとし)
東京生まれ。東京工業大学卒業。コスモ石油、コスモコンピュータセンター、東京経営短期大学教授を経て、現在フリー。情報関連資格は技術士(情報工学)、中小企業診断士、ITコーディネータ、システム監査など。経営と情報の関係につき、経営側・提供側・利用側からタテマエとホンネの双方からの検討に興味を持ち、執筆、講演、大学非常勤講師などをしている。著書は「教科書 情報と社会」(日科技連出版社)、「もうかる情報化、会社をつぶす情報化」(リックテレコム)など多数。http://www.kogures.com/hitoshi/にて、大学での授業テキストや講演の内容などを公開している
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