人材ポートフォリオを構築して、情シス部をリバイバル情シス部のリバイバルプラン(5)(1/2 ページ)

前回は、人材ポートフォリオの基盤である人材像の定義と、人材育成ツールの作成方法を説明した。これで人材ポートフォリオを構築するための準備は整った。今回は、人材ポートフォリオの構築方法と、それを使った情報システム部リバイバルプランの作成方法を紹介する。

» 2006年11月14日 12時00分 公開
[井上 実,@IT]

 定義した人材像に基づき、「現状の人材ポートフォリオ」と「求められる人材ポートフォリオ」を作成し、人材ギャップを明確化したうえでギャップ解消策を検討する。こうすることによって、情報システム部の役割がより明確になり、役割を果たすために必要な人材を育成することで、情報システム部は力を発揮することができるようになる。

 どのように、これらを進めていけばよいかを順を追って説明していく(図1参照)。

ALT (図1)人材ポートフォリオ構築とギャップ解消策

現状の人材ポートフォリオの作成

 定義された人材像(職種・専門分野・レベル)に基づき、現状の人材ポートフォリオを作成する。そのためには、対象者に対して人材像定義に基づく評価を行う必要がある。

 評価対象者の中には、自社の情報システム部員だけではなく、システム子会社やアウトソーサが含まれることもあり得る。社外を含める場合には、事前に責任者に対して協力を依頼し、了承を得ておく必要がある。

 次に、対象者に対して評価方法の説明を行う。説明内容は、評価の目的や位置付け、評価方法などだ。このとき十分な説明をせず、対象者が評価の意義や重要性を理解していないと、評価結果の信ぴょう性が問われることになりかねない。説明内容は十分に検討する必要がある。

 評価方法は人材ポートフォリオ基盤構築の段階で検討されており、この段階ではすでに決定されているはずである。目標による管理における評価方法と同様に、本人評価と上司評価の両方を行い、面談によって最終評価を決定することが望ましい。本人評価だけではどうしても個人差が出てしまい、結果がバラつく危険がある。上司評価によって、適正化する必要がある。そのためには、対象者向けの説明だけではなく、上司向けの説明も必要だ。

 説明終了後、評価を実施して結果を収集する。そして、収集した結果をカスタムキャリアフレームにマッピングし、現状の人材ポートフォリオが完成する。

求められる人材ポートフォリオの作成

 現状の人材ポートフォリオと同様に、定義された人材像に基づいて求められる人材ポートフォリオを作成する。

 カスタムキャリフレームワークの職種・専門分野・レベルごとに、「いつまでに、何人必要か?」を記入する。「いつまでに」という期限を記入するのは、人材ギャップ解消策を検討する際に、内部人材の育成やスキルシフトにはある程度の時間がかかり、早急な要求に応えることができないためである。そのような場合には、アウトソースの活用や中途採用をせざる得なくなる。

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