連載
間違いだらけのデータセンター選択(9)


実際にデータセンターを比較検討する

近藤 邦昭
まほろば工房

2007/3/14

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付帯サービスの比較

 これまでデータセンターの基本的なサービスについて触れてきました。これらはデータセンターとして必須ともいえる部分ですので、各社とも十分な対応がなされていました。

 以下では、データセンターの付帯サービスともいうべき、作業環境や設置機器の運用のためのサービスについて触れていきたいと思います。

 まずは、データセンターで利用者が作業をする環境に関するサービスを見てみましょう。表1に比較表を示しました。

  ビットアイル MF SBIDC
リモートハンズ 標準 標準 標準
基本監視サービス 標準 標準 標準
工具貸し出し あり あり あり
コンソール貸し出し あり あり あり
ケーブル販売 あり なし なし
棚板販売 4枚まで無料 無料 無料(ベルトもあり)
作業者休憩室 あり なし あり
作業用インターネット接続 あり なし あり
レンタル会議室 あり 有償 あり
ゴミの廃棄 有償 なし 有償
そのほか

防寒具貸し出し
休憩室にマッサージ機あり
巨大搬入エレベータあり

  休憩室にマッサージ機あり
巨大搬入エレベータあり
表1 作業環境や機器の設置・運用のためのサービスの比較

  表1の項目のうち「リモートハンズサービス」は、緊急時に電源のOFFやON、LEDの確認をデータセンターの担当者に電話などで指示して行ってもらうものです。「基本監視サービス」というのは、設置した機器の一部または全部にpingによる死活監視をするサービスを指しています。いずれも標準のサービスとなっていますが、これに加えて品質監視のサービスやさらに高度なマネージドサービスもラインアップされています。

 ほかの項目は補足する必要はないと思いますが、面白いところでは、ビットアイルの「防寒具貸し出し」があります。冬季はともかく、夏季は外が暑いと半袖などでデータセンターに入るため室内は寒く感じますから、ちょっとうれしいサービスです。

  このほか、ビットアイルとSBIDCの巨大エレベーターの完備も特徴的で、軽トラックくらいであれば、そのままエレベーターに乗れるほどの大きさのものが完備されています。

このほかのデータセンターサービス

 このほか、データセンターでは、機器を保守運用するうえで、またデータセンターを利用したサービスを提供するうえで、さまざまなサービスを提供してくれています。

  ビットアイルでは、自社で設置する機器を貸し出すことで、契約時にラックに機器を設置して引き渡すサービスを行っています。

  マネージドサービスのうち機器の品質管理やサービス監視については、ビットアイル、SBIDCはオプションとして用意しています。MFでは、ネットワーク上の商取引が盛んになった場合に、データの送受信時刻が重要となるため、タイムフィードサービスとして、時刻の配信・認証のサービスを提供しています。

最後に

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 本連載では、データセンターをうまく使うために、データセンターの利点や特徴、利用方法を紹介してきました。

 データセンターは、最初はネットワークサービスを行う機器を設置するスペース貸しの業種として発展してきましたが、インターネットの発展に伴い、データの安全な保管、そして、確実なデータ配信などの面から日々その重要性が高くなってきています。

 これは、インターネットに対するサービスを行っている業種にとどまりません。ネットワークを利用して社内網を構築するなど、ネットワークが会社のインフラとなってきている今日では、どんな企業にとっても人ごとではありません。

 データセンターの特徴をよく理解し、無理をせずに正しく利用することで、安全で堅牢なネットワークを構築できます。

 今回の連載が、読者の皆さんのネットワーク構築、そして運用の参考になれば大変うれしく思います。今回の比較検討に当たっては、冒頭でも触れましたように、各データセンターを実際に訪問し、データセンターの中を見学して執筆しました。見学に当たってはデータセンターの方々に、多数の質問に長時間にわたって快くお付き合いいただきました。この場を借りて、各データセンターの方々にあらためて感謝します。

 9回にわたる連載にお付き合いいただき誠にありがとうございました。

筆者プロフィール
近藤 邦昭(こんどう くにあき)
1970年北海道生まれ。神奈川工科大学・情報工学科修了。1992年に某ソフトハウスに入社、主に通信系ソフトウェアの設計・開発に従事。1995年ドリーム・トレイン・インターネットに入社し、バックボーンネットワークの設計を行う。1997年株式会社インターネットイニシアティブに入社、BGP4の監視・運用ツールの作成、新規プロトコル開発を行う。2002年インテック・ネットコアに入社。2006年独立、現在に至る。日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)の会長も務める。

■要約■
本連載では、データセンターが行うサービスや選択・利用におけるポイントを紹介してきた。今回は実際のデータセンター3カ所を例として取り上げ、これらのポイントがどのようにカバーされているかを検討する。

ビットアイルの第一から第三データセンター(以下ビットアイル)、インターネットマルチフィード(以下MF)、ソフトバンクIDCの東京新宿データセンター(以下SBIDC)を対象に見学とヒアリングを実施した。

基本的サービスの面では、どのセンターもラックサイズに問題はない。排熱にはいずれもホットアイルとコールドアイルを設ける方式が採用されているが、排熱の考え方には差が見られる。入館セキュリティの方式には違いが見られた。

付帯的サービスでは、いずれのセンターでも基本的な監視サービスは標準提供されている。ゴミの廃棄や工具などの貸し出しなどでは対応が異なっている。

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実際にデータセンターを比較検討する
 

Page 1
各データセンターの特徴

  Page 2
ファシリティ(設備)の比較
 1) ラック
 2) 排熱設計
 3) 電源設計
 4) セキュリティ
→

Page 3
付帯サービスの比較
そのほかのサービス
最後に



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