3. SWOTカード合わせと整理
S、W、O、Tごとにカードを集め、カード番号を付け、同種の項目でグルーピングする。グループ分けした項目群の内容を概説し、抽象化してタイトルを付与する。次のような列を持った表を作成すると整理しやすい。
4. 相互関係の作成
カードグループのタイトルを記入したカードを作成し、カードグループごとの相互関係を考える。相互関係には、主従関係、反対関係、因果関係などがある。相互関係のない、独立したカードも大切にする。
自社の提供する「ITサービス」について、SWOT分析を行い、相互関係を図式化した例を図2に示す。参考にしてほしい。
5. 成功要因の抽出
カードグループの相互関係を、強みと機会、弱みと機会、強みと脅威、弱みと脅威の4つの区分で網羅的に調べることによって、何を重点的に取り組むかを検討し、体系的なITサービスマネジメントを実現するための成功要因を抽出する。
図2で示した相互関係を基に抽出した成功要因の例が表1である。
いかがだろうか。SWOT分析の手法を利用して、効果的・効率的なITサービスマネジメントを実現するために取り組むべき項目を、関係者全員の思いとして共有する。ITILを活用することが自社にとってどんなメリットがあるかよく分からない、あるいは、金融商品取引法への対応のための取り組みをトップダウンで指示されているが、現場に今ひとつ危機感が伝わらない、といった悩みを抱えている場合の、関係者に対する動機付け、意識付けの手段としてトライしてみてもらいたい。
なお、ブレーンストーミングを起点としてSWOT分析を効果的に進めるために、経験豊富なファシリテータに進行を手伝ってもらうことも一考に値する。
▼著者名 鈴木 広司(すずき ひろし)
PwCコンサルティング、IBMビジネスコンサルティングサービスを経て、現在エクセディア・コンサルティング シニアコンサルタントとして、ERP導入プロジェクトにおけるベーシス・インフラ関連のコンサルティングから、ITマネジメントコンサルティングまで幅広く手掛ける。
ITガバナンス研究分科会(itSMF Japan)座長、ITガバナンス協会(ISACA)会員、ITコーディネータ、技術士(情報工学部門)、システム監査技術者。電子メールアドレス:hsuzuki@xiidea.com
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