連載
現地からお届け!中国オフショア最新事情(11)


文化や言語の壁を超えるオフショア開発とは?

幸地 司
アイコーチ株式会社

2008/2/6

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現代の日本社会では、従業員の雇用形態の多様化は避けられない状況だ。そこで今回は、多様性の中でもオフショア開発者の関心が高い4つの次元に焦点を当てて、プロジェクトマネジメントの領域における多様性マネジメントを説明する。(→記事要約<Page3>へ)

 現代の日本社会には、グローバリゼーションという一般名詞と化したカタカナ英語が日常にあふれ、従業員の雇用形態もますます多様化しています。このような社会では、誰もがいやおうなしに“多様性マネジメント”のお世話にならざるを得ません。

 そこで本稿では、多様性の中でもオフショア開発者の関心が高い4つの次元に焦点を当てて、プロジェクトマネジメントの領域における多様性マネジメントを説明します。

  • 言語の多様性
  • 組織の多様性
  • 文化の多様性
  • 地域の多様性

多様性マネジメントとは

 オフショア開発で私たちを困らせる諸問題に迫る前に、グローバルなビジネス環境全般における多様性の概念を紹介します。IT分野以外の業種・業界における取り組みを知ることは、多様性というキーワードを理解するための有効な手段です。

図1:多様性の2層構造

Loden Marilyn(1996), Implementing Diversity, Business One Irwin p.16

 初めに、多様性の正確な意味について定義します。多様性のことを英語では「ダイバシティ(diversity)」といいます。多様性とは、性別や年齢、人種・国籍の違いといった表層的な次元にとどまらず、勤続年数や役職、経歴、生育環境、価値観、働き方などの深層的な次元をも対象とする幅広い概念です。

参考文献

 多様性という言葉は、もともとは雇用機会均等を目指す運動の中で使われていました。ですが、最近ではもっぱら経営分野の流行語として扱われます。そして、多様性の後に“マネジメント”というお決まりのビジネス用語をくっつけて、“多様性マネジメント”として使われるようになりました。

 多様性マネジメントとは、企業や組織における多様な特性を認めて、多様性を忌むべきものと考えるのではなく、むしろ積極的に多様性を活用することで企業業績を向上させることを目的とした、マネジメントの新しい手法です。

 例えば、女性社員や外国人労働者の活用の問題は、多様性マネジメントが扱う重要テーマです。そして、多様性マネジメントは、私たちにおなじみのプロジェクトマネジメント分野にも、ちょくちょくと顔を出すようになってきました。

 オフショア開発では、言葉や商習慣の違い、すなわち言語と文化の多様性が私たちの行く手を阻みます。今回は、オフショア開発で厄介者扱いされる多様性をいかにコントロールするかに主眼を置きます。

図2:多様性(ダイバシティ)マネジメントとは
多様性(ダイバシティ)とは、国籍、人種、文化、民族上の経歴、ジェンダー、年齢、宗教、母国語、身体的な能力、性的傾向、教育や職業といった、「われわれがいかなるものか」を示す多くの特性
――IMF(国際通貨基金)、1999年
ダイバシティマネジメントとは、ダイバシティを用いてパフォーマンスを向上させるためのマネジメント手法で、組織に多様な人材を組み込み、戦略的に組織変革をすることで企業の競争優位性を高めることを目的とする
――谷口真美(早稲田大学)

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オフショア開発の多様性4次元を考える
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