
人事評価と開発者のモチベーション
パート3:役割とポリシー(中編)
2007/11/15
◆ 人事ポリシーとITの価値との適合
効果的なソフトウェア開発は、チーム環境における効果的な協調作業に意欲を見せる才能のある個人に依存する。これがうまくいくようにするには、社員の奨励金や報奨金、昇進、そして責務といった人事関連の問題をIT部門の価値と確実にうまく適合させる必要がある。
本記事は、IBM developerWorksからアットマーク・アイティが許諾を得て翻訳、転載したものです。 |
コラボレーションに重点を置くと、人材の報酬や評価にも変化が生じる。個人の生産性だけを評価するのではなく、各個人がチームに提供する価値も評価する必要がある。チームにとって最も有用なのは、自分の時間の大半をほかのチームメンバーの指導に充てるメンバーだ。これは、全体の評価に反映させるべき付加価値を持つ行動だ。
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これら2つの例では、人事システムがITの価値を実装するに当たって適切な行動を促進し、チームメンバー間の効果的コラボレーションを保証する必要がある。
● メリット
人事ポリシーとITの価値を適合させると多くのメリットが生まれる。
ソフトウェアの経済的側面の向上。良いソフトウェアは意欲的で才能のある人材によって構築される。意欲的かつ才能のある人材を確実に確保し、受け取った価値を確実に報奨金に反映させるには人事ポリシーが極めて重大になる。
意欲の向上とスタッフの増強。認められ、見返りがあり、支持されることに対しては、これを適切にやろうという意欲がわく。これは、スタッフの自然減の低下へとつながる。
● トレードオフ
人事ポリシーとITの価値を適合させる場合には多数の重要なトレードオフがある。
人事ポリシーの変更意欲。人事部は、社内のさまざまな事業部の人事ポリシーに対する責任がある。人事ポリシーをある1つの部署の特定のニーズに合わせるのは難問であり、コストも掛かる。また、国によって異なり、検討の必要な法関連の影響もある。しかし、人事ポリシーの変更はIT部門が効率化することで大きな利益をもたらす。
技術系キャリアパスへの投資。大体の場合、トップレベルの優秀な技術者に対応するためには、彼らに関心のない、もしくは適性のない管理者のキャリアパスを選ばせたり、優秀な人材を停滞させるようなことのないよう、魅力的な技術キャリアパスを確実に提供する必要がある。ITエキスパートに長期的に有効なキャリアパスを提供することは重要な投資である。
優秀な人材集めに向けた積極的な行動修正。ソフトウェアエンジニアのモチベーションは、ほかの職種のそれとは異なる場合が多い。社員に対し、スキルの構築や本当にエキサイティングで革新的な製品の開発を認めるような報酬は、従来の手当以上の意味を持ってくる。優秀な人材を集めるには、集めたいソフトウェアエンジニアのタイプを考慮し、ターゲット層にとって魅力的になるよう行動を修正すると良いかもしれない。
● アンチパターン
ここでは次のようなアンチパターンが関連してくる。
ほかの業務とITの同等化。人事ポリシーは、ターゲットとする社員グループのモチベーションに合わせる必要がある。ソフトウェアエンジニアのモチベーションは、ほかの開発者のそれとは異なる場合があるため、そこにあるギャップを理解し、それらのギャップに合わせて人事ポリシーを調整することが重要になる。変更可能な項目に関しては法的制限が掛かる場合があり、その制限も国によって異なる場合があることに注意したい。
個人の柔軟性の排除。IT内部でさえも、個人のモチベーションは各自異なる。これを考慮すると、チームとしての目標に合わせた各種報奨金を提供し、個人の目標や事情に適したものを社員に選ばせるべきだ。
● 推奨デフォルト
人事ポリシーとITの価値がよりうまく適合するよう、ITと人事のマネージャは必ず常時連絡を取り合うようにする。
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本記事は「The Rational Edge」に掲載された「Best practices for lean development governance Part III: Roles and policies」をアットマーク・アイティが翻訳したものです。 |
効果的な開発には、お互いを対等と見なす者同士の密接なコラボレーションが要求される。一部には、開発者からアーキテクトなどへの昇進により、部下の最も優秀な技術者が当座の開発から離れ、現状とあまり関係のないアーキテクチャチームに転属させられてしまう組織もある。そうなると、これらのアーキテクトが構築するアーキテクチャは現実と懸け離れたものになる可能性が高い。効率的な開発組織においては、これらの専門的で経験豊かな人々は、指導者および技術リーダーの役割も担い、後輩と一緒に仕事を進める必要が出てくる。
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- 第1回 要件仕様の決定に時間を割かない結末は?
- 第2回 先駆者に学ぶ「開発プロセス改善の原則」
- 第3回 あるプロジェクトリーダーの成功ストーリー
- 第4回 ソフト開発の変革というWebサービスの可能性
- 第5回 プロダクト・マネジメントを成功に導くには
- 第6回 分散コンピューティング時代のテスト手法
- 第7回 プロジェクトの特性に合わせた要件定義手法の選択
- 第8回 優秀なテスターの育成と訓練方法
- 第9回 「アジャイル」「RUP」「Rational XDE」の融合
- 第10回 Dr.ユースケースの “ユースケース人生相談”
- 第11回 Webサービスのテスト技法進化論
- 第12回 要件定義の考古学
- 第13回 チェスとソフト開発、その相関関係を探る
- 第14回 開発計画が破たんするには理由がある
- 第15回 要件定義の管理技術(Lv0〜Lv5)
- 第16回 オン・デマンドの波をキャッチしろ
- 第17回 オープンソース時代のテスト手法、そのノウハウ
- 第18回 オープンソース時代のテスト手法、テストのロードマップ
- 第19回 オープンソース時代のテスト手法、テストのまとめ
- 第20回 『オープン』の正体 (前編)
- 第21回 『オープン』の正体 (後編)
- 第22回 サブシステムの「なに?」「なぜ?」「どうやって?」
- 第23回 サブシステムとはモデリング概念である
- 第24回 アスペクト指向プログラミング オーバービュー
- 第25回 「プロジェクト管理」を管理するために
- 第26回 レッスン1:何もせずに取り残されるな
- 第27回 レッスン3:相違に注意を払え
- 第28回 大規模プロジェクトにアジャイルを適用する方法(前編)
- 第29回 大規模プロジェクトにアジャイルを適用する方法(後編)
- 第30回 アジャイル開発:成熟期の到来、その道のり
- 第31回 UML 2.0のキホン:コンポーネント図の詳細解説
- 第32回 コーディングの知恵を要件定義で利用する
- 第33回 隣のテストチームが優秀ないくつかの理由(前編)
- 第34回 隣のテストチームが優秀ないくつかの理由(後編)
- 第35回 中国のソフトウェア開発現場はこんなにスゴイ
- 第36回 ソフトウェア開発の「いま」と「近未来」の話
- 第37回 ルネサンスの巨匠たちに学ぶエンジニアリングの技
- 第38回 オブジェクト指向を超えて
- 第39回 ユーザー要件を引出すテクニック
- 第40回 ITプロジェクトを見える化する
- 第41回 ソフトウェアアーキテクチャって何なの?(前編)
- 第42回 ソフトウェアアーキテクチャって何なの?(後編)
- 第43回 ソフトウェアアーキテクトの役割
- 第44回 ソフトウェアアーキテクティングのプロセス
- 第45回 ソフトウェアアーキテクティングのメリット
- 第46回 ウォーターフォールから反復型への移行手順
- 第47回 トランザクション管理の複雑性を克服する パート1
- 第48回 トランザクション管理の複雑性を克服する パート2
- 第49回 汎用グラフィカルモデリング言語「SysML」 パート1
- 第50回 グラフィカルなモデル言語で製品構造を記述
- 第51回 キミのコードが汚い理由
- 第52回 「設計」や「構築」よりも重宝されるスキル
- 第53回 専門家に聞くモデル駆動開発のメカニズム
- 第54回 プロジェクトのはじめに計画を立てるのは無謀
- 第55回 「この開発プロジェクトは中止!」の基準
- 第56回 なるほど! ビジネスユースケース
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- 第58回 不完全なコードは推敲フェイズで潰しておきたい
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- 第62回 開発プロジェクト「統治」のピンポイント解説
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- 第64回 開発プロセス導入のアンチパターン
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- 第66回 自己管理型チームの利点と弱点
- 第67回 人事評価と開発者のモチベーション
- 第68回 鈍重な開発チームは鈍重なシステムを作る?
- 第69回 ソフトウェアが複雑なのは仕方がない?
- 第70回 ソフトウェアの複雑性を手なずける
- 第71回 見積もりの精度 Accuracy of Estimation
- 第72回 アジャイル開発の広範な普及を目指して
- 第73回 アジャイルとシステムテストの新たな関係(前編)
- 第74回 アジャイルとシステムテストの新たな関係(後編)
ホワイトペーパー(TechTargetジャパン)
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