
そのプロジェクトでは何を犠牲にしていいのか
2006/12/27
■ プロジェクトの成否は発注前にほぼ決まっている
- - PR -
しかしながら、そのシステムにかかわる人間つまりステークスホルダーの数からシステムの仕様の調整が難しいか優しいかは発注前に予見できることである。システムの仕様変更が多発すると判断されるのであれば、RFPにスパイラル型のプロジェクトマネジメント手法、もしくはアジャイル型などの仕様変更に強い開発手法を開発会社にリクエストすればいいのである。
■ プロジェクト運営中のリスクについて
とはいえ完全に発注前つまりRFP作成時点では想像し得ないリスクなどもあるであろう。「開発会社のプロジェクトマネージャが退職してしまってプロジェクトが停滞した」「昨今の情報漏えい問題などで、開発中のシステムに対してすべてセキュリティに関する試験をサービスインまでの期間はそのままで全社的に行う業務命令が出た」、などここでは書き切れないくらいの大小かかわらずさまざまなリスクが発注側のプロジェクトマネージャを襲うであろう。
発注側のプロジェクトマネージャが見失ってはならないのは、プロジェクトの最重要としているゴールは何で、そのために何を犠牲にしていいのかである。
プロジェクトのゴール、「目的としていた機能をすべて実装したシステムを構築すること」「予算どおりにシステムが構築されること」「スケジュールどおりにシステムが構築されること」などが挙げられるのかもしれないが、どうかプロジェクトマネージャはすべてのプロジェクトの目的を満たそうとするのはやめて、会社に対してどれを優先すべきで、どれを犠牲にすべきかそのような交渉をしていただきたい。
プロジェクトに発生した問題を先送りにするのではなく、問題を解決するためにどのような処理を行うかをプロジェクトが優先しているゴールを基に決定する必要があるのである。
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プロジェクトマネージャは開発会社の最高責任者であり、出版されている書籍も彼らがより円滑にプロジェクトを運営するための優れたノウハウ本が非常に多く出版されている。このような風潮は、システム開発における技術は複雑化し、さらに求められる仕様の要件は環境の複雑さと相まってより高度化しつつある事情からである。
このような状況の中でユーザー側のプロジェクトマネージャはプロジェクトの成功を会社側に求められているのである。開発会社プロジェクトマネージャにとってプロジェクトの失敗とは単に受託した開発案件の失敗であり、また別の開発案件のプロジェクトマネジメントへと移っていくだけであるが、ユーザー側のプロジェクトマネージャはそうはいかない。ユーザー側のプロジェクトマネージャは発注側の責任者として、永遠にそのシステムが稼働し続ける限り、マネジメントしていく必要があるのである。
イー・キャッシュ株式会社 代表取締役社長
1972年香川県生まれ。
麻布大学獣医学部卒業。
東京医科歯科大学医学部博士課程修了。
大学院在学中から、大手企業のCTOなどを歴任。
2005年5月より現職。
2006年 Microsoft Regional Director になる。
須永 啓太(すなが けいた)
イー・キャッシュ株式会社 取締役 ビジネスデザイン事業部
インターネットベンチャー企業などで大手ポータルサイトのEコマースサイト構築におけるプロジェクトマネージャーなどを歴任後、イー・キャッシュ株式会社に入社。主にRFIDシステムのコンサルティング業務を担当。実はモノ作りが大好きで、最近プログラミングをまったくできないのが悩み。
発注者側が、プロジェクトが失敗に終わったと判断する状況はいくつもあるが、その中で最も端的に数値で提示される場面は「カネ」である。プロジェクト運営が予算どおり進まず、機能追加や、開発期間の延長を経験した人も多いと思う。今回は「カネ」にまつわるリスクファクターとマネジメント方法について、いつものように具体的事例を挙げながら紹介する。
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- 第1回 プロジェクトは失敗するのが当たり前!?
- 第2回 ユーザー企業側プロジェクトマネージャの勘違い
- 第3回 アーキテクチャ選定のコツは「少し先を見ること」
- 第4回 「カネ」にまつわるリスクファクター
- 第5回 そのプロジェクトでは何を犠牲にしていいのか
ホワイトペーパー(TechTargetジャパン)
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