WBSには、守るべき3つのルールがあるWBSでプロジェクトを成功させる(2)(1/2 ページ)

前回はWBSの基本としてWBSの基本用語を紹介し、WBSが「レベル」と「要素」から成り立っていると説明した。今回は特に要素に着目し、要素分解ルールのコツを解説する。

» 2010年01月27日 12時00分 公開
[安達裕哉トーマツイノベーション]

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 前回、WBSは大きく分けて、「レベル」と「要素」から成り立っていると説明しました。

ALT WBSの基本用語

 今回は「要素」に着目し、要素分解のルールを解説します。

WBSの要素分解で“絶対に守るべきルール”

 WBSは通常、レベル1にプロジェクトの最終成果を置き、そこから順番にレベル2への分解、レベル3への分解と徐々に要素が細かくなるよう、書いていきます。

 この分解の際に、3つルールがあります。

ALT 要素分解で守るべき3つのルール

第1のルール:「100%ルール」

 「100%ルール」は、要素分解を行ううえで最も重要なルールであり、一言でいえば、「子要素をすべて足し合わせると親要素と等しくなる」というものです。

 子要素は親要素を100%満たすものでなければならない、ということから100%ルールと呼ばれます。

 例を見てみましょう。これは、「コーラ」を要素に分解したものです。

ALT 100%ルールの例1

子要素をすべて混ぜ合わせると、コーラが出来上がる

 これを見ると、コーラは、「カラメル色素、酸味料、甘味料、香料、保存料、カフェイン、炭酸水」を組み合わせて、100%になることが分かります。

 一方、下の例はいかがでしょうか。空欄を埋めてみてください。

ALT 100%ルールの例2

子要素をすべて実行すれば、じゃんけんが終了する

 いかがでしょうか。100%ルールに従って分解できたでしょうか。

 1つの例として要素を挙げていくと、「参加者を決める」「各自が勝負する手を決める」「勝負する」「勝敗を判定する」「あいこならばもう一度勝負する」といった要素になります。

 さて、勘の鋭い方は気付かれたかもしれませんが、例1と例2では要素分解のパターンが異なります。「コーラ」は「物」ですが、「じゃんけんをする」は「作業」です。

ALT 要素分解のパターン

 実は、要素分解はパターンが2つあり、「物」へ分解するパターンと「作業」へ分解するパターンとが存在します。

 作業に分解するパターンと、物に分解するパターンは、それぞれ留意事項が異なりますが、この点については次回以降で詳細に解説します。

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