サン、ストレージ管理技術「Jiro」をリリース
ストレージ製品ラインナップも強化

2000/7/11

 サン・マイクロシステムズは7月10日、Javaを利用したストレージ管理技術「Jiro(ジャイロ)」に対応した最初の製品「Jiro Technology 1.0」の配布を開始したと発表した。

 今回発表されたのは、このストレージ管理技術のJiro技術を用いた初の製品「Jiro Technology 1.0」。Jiro Technology 1.0は、Java2 Standard Edition v.1.2.2で動作するJiro Runtimeのバイナリ、Jiro SDK、ソースコードの3点で構成され、http://www.jiro.com/から無償ダウンロードが可能である。

 従来、ストレージといえばあくまでサーバに付随する周辺機器という位置付けで、運用管理の面において柔軟性が少ない装置だった。ところが近年になり、ストレージを独立したネットワーク資源として活用していこうという「SAN」の考え方が登場し、業界からの注目を集めている。SANでは、従来までサーバに付随する形で接続されていた複数のストレージをまとめ、Fibre Channelなどの高速ネットワークを用いてメインフレーム/UNIXサーバ/PCサーバなどと接続する。メリットとしては、ストレージが集中して配置されるためメンテナンスが容易なこと、また拡張性や耐障害性の面においても柔軟性が高いことがあげられる。

 Jiroは、こういったSAN(Storage Area Network)などのストレージ環境を管理するための技術である。Java技術をベースにしたJiroを用いることにより、オープンなマルチベンダー環境でのストレージ管理が容易になるという。

 またサンは同日、SAN環境向けのストレージ製品「Sun StorEdge T3」シリーズも発表し、同社ストレージ製品のラインナップを強化した。

 Sun StorEdge T3はFibre Channelに対応したRAID装置で、ワークグループ向けとエンタープライズ向けの2種類のモデルが用意されている。特にエンタープライズモデルでは、ラックマウント上の筐体に327GB〜88TBまでのディスク装置を搭載できるほか、ストレージを構成しているディスク、電源(冷却装置)、インターコネクトカード、RAIDコントローラといった要素がすべて冗長化されており、高い耐障害性をもつ。

 同社では、SAN市場に向けて、これらの製品の提供に加え、専門のコンサルティングサービスや構築サービスを実施していくという。これらのサポート体制を強化し、将来の成長が見込まれるSAN市場でのシェア拡大を狙う。

[関連リンク]
「サン、『Jiro Technology 1.0』の配布を開始」のリリース
「サン、新世代ストレージを発表」のリリース

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