EMCのCEO、「時代はコンピューティングから情報管理へ」

2000/10/11

 EMCのCEOマイケル・C・ラドガーズ(Micael C Ruettgers)氏が来日、「ニューエコノミーにおける情報の価値と重要性」と題して今後のストレージ動向をスピーチし、記者と会見を行った。

 EMCは1979年に設立、90年に世界初のディスクアレイタイプの大容量キャッシュ磁気ディスク記憶装置を製品化したストレージベンダーだ。1999年度の売上は67億ドル、2001年度には120億ドルを予測している。

スピーチを行うラドガーズ氏
情報投資への日本企業の意識の低さを指摘(アメリカの50%以上に対し15%未満)。「(情報投資は)競争力、差別化へつながる成功の鍵」

 ストレージは実際に普及の段階にあると見るラドガーズ社長は、同分野のさらなる将来性を説く。「コンテンツのビッグバン」(ラドガーズ氏)ともいえるコンテンツ量急増の背景には、その豊富なデータの記憶・処理など管理技術の進化と、通信にかかるコストが低下したことがあげられる。「このビックバンを支えるのはストレージと光ファイバーだ」と述べ、先日、NTTが発表した東京と大阪地区での光ファイバーサービスに関するニュースを例に挙げた。EMCでは、2003年までの世界のGDPの年間伸び率予測が3.4%であるのに対し、ストレージ市場は21%の割合で伸びると予測している。

 企業の情報量は4年後に15倍になると言われている。それをうけて、このところサーバベンダーや、ソフトウェアベンダーのSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)やNAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)といったストレージ製品の発売が相次ぐが、同社の強みは「価格帯と品揃えだ」とラドガーズ氏。同社では、これまでもストレージ単価当りのコストを年率30%で低減させてきており、この割合を今後も維持していく。また、研究開発(R&D)に費やす金額は競合他社の中で最も高く、SAN、ストレージ・ソフトウェアの2部門でのシェアはトップ。NASでもハイエンド部門はトップを占めるという。

 ストレージと密接にかかわるネットワークに関して、同社では、シスコ、ノーテル、ルーセントの3社とアライアンスを組んでいる。今後、ストレージ間を結ぶ帯域が広く、価格の安いネットワークが必要だと述べた。

 日本市場の課題としてはディストリビューションに触れた。日本では、CTC(伊藤忠テクノサイエンス)、NEC、富士通、NTTデータと販売契約を結んでいるが、「ニーズがあるのに完全にカバーできていない」と、今後はパートナーシップを強固にし、販売をより積極的に進める意向を表した。

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