マイクロソフト、.NET Enterprise Serversのスケジュールを発表 

2000/10/25

 マイクロソフトは2000年10月24、25日の2日間、都内のホテルにて「The Microsoft Conference 2000/fall」を開催。1日目の24日は同社社長の阿多氏によるGeneral Sessionで幕を開けた。

マイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏。今回は「アジリティ(俊敏性)」をキーワードにしたプレゼンテーションを行った

 登壇した阿多氏はWindows 2000 Datacenter Serverについて触れ、同製品が99.9%の稼働率であるとして信頼性と堅牢性を強調。顧客へはDatacenter ServerのOEM先であるパートナー企業と協力し、4日間の初期設定と7〜14日間程度の試験運用(高負荷テスト含む)を経た上で出荷。これにより年間ダウンタイム8.76時間以下を達成すると語った。

 Datacenter Serverのサポートはパートナー企業と一体となって行うほか、パートナー企業にはソースコードも公開するという。ただし、パートナー企業は参照のみで、ソースコードの修正はマイクロソフトが行う。General Sessionに続いて行われた記者会見で、「それではバグの修正が遅れるのでは?」との質問に、阿多氏は「Datacenter Serverは全世界で1つのソースコードに保たれるべき。UNIXのように分裂することは防がなければならない」と答えた。

 General Sessionではいくつかのデモンストレーションが行われ、Datacenter ServerやBizTalk Serverの機能の一部が紹介された。たとえば、ユニシスのES7000(Pentium III Xeon×32)を利用したデモではDatacenter Serverのプロセス制御管理ツールを使い、あるプロセスに割り当てるCPU数を増やすことで各CPUの負荷が減少する様子を見せた。

 また、架空の顧客、部品販売会社、部品製造会社、配送会社のやり取りが電話や伝票で行われた場合と、BizTalk Serverでビジネスプロセスが統一されていた場合を比較した仮想シナリオを見せ、ビジネスプロセスの実際の動作やBizTalk Serverによるビジネスプロセスの設計を実演した。

 顧客から発注を受けた部品販売会社営業マンがPocket PCで在庫を確認すると、不足分はXMLデータで自動的に部品製造会社に発注され、Host Integration ServerをとおしてAS/400上の製造管理システムに送られる。部品の配送指示も自動的に行われ、納期が配送会社から営業マンのPocket PCに送信されるというシステムが実際に構築されていた。つまるところ、関連企業がそれぞれBizTalk Serverを使ってビジネスプロセスを構築すれば、ビジネスがより効率化するということだ。

 続いて.NET Enterprise Servers製品群のスケジュールが発表された。今回触れられたのは正式名称が決定している8製品のみだが、全体では13製品に達するという。

 発売日が明確に示されたのはSQL Server 2000、Exchange 2000 Server & Conferencing Server、Host Integration Server 2000(旧SNA Server)の3製品。BizTalk Server 2000やApplication Center 2000などは年内開発終了予定とされた。「年内開発終了」が達成されれば、2001年2月ごろには出荷されると思われる。

●.NET Enterprise Servers製品スケジュール(2000年10月24日現在)

商品名 発売予定
SQL Server 2000 10月27日
Exchange 2000 Server & Conferencing Server 11月10日
Host Integration Server 2000 11月17日
BizTalk Server 2000 年内開発終了予定
Commerce Server 2000 年内開発終了予定
Application Center 2000 年内開発終了予定
Internet Security and Acceleration Server 2000 年内開発終了予定
Mobile Information 2001 Server 2001年発売予定


[関連リンク]
マイクロソフト

[関連記事]
同時に行われた2つの開発者会議 (@IT News)
マイクロソフトがKMサーバ“Tahoe”の概要を発表 (@ITNews)
MSがWindows Datacenterプログラムを発表 (@ITNews)  

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)