公開目前!IntelのPentium 4の全貌をめぐる騒動

2000/11/21
(11/17/00, 7:02 p.m. ET) By Mark Hachman, TechWeb News

 今回も長期戦になったIntelの最新チップの開発がやっと終わりを迎えられそうだ。

 前回、Pentium IIIでは、そのスローなローンチから、ポツポツと滴をたらすコーヒードリップに例えられ“ドリップ”というあだ名がついたぐらいだ。1999年2月、Intelは1回目のローンチの期日を発表し、“プレビューディ(内覧会)”を設けた。このチップは実際には数週間遅れてローンチし、内覧イベントはプロモーションイベントの2日後に行われた。

概して好評、Pentium 4

 Pentium 4が長い開発期間にやっとピリオドを打って今週の月曜日にリリースされることになっている。この間、開発、トライアル、検証、報道関係向け説明会、さらには憶測、分析までもが行われてきた。

 チップそのものに関して、多少言及の余地はあるだろうが、OEM各社の反応は概して好評だったようだ。Intelによれば、Dell Computer、Compaq Computer、Gateway、NEC、IBM、Hewlett-PackardなどのほとんどのPCメーカーは、新しいチップをベースにしたシステムを提供する予定だという。

  “Intelは予測どおりやってくれた”とIBM Research Tringle Parkの NetVistaマーケティング・マネージャのBruce Rasa氏は言う。“実際のベンチマークでわれわれが最も気にすることは、ベンダーが約束どおりに実行したかどうかだ。われわれのところでは、全範囲でのベンチマークテストを行う。1年前のAMDのAthlonでも同じステップを踏んだ”(Rasa氏)

 Las Vegasで開催されたComdexで、Intelは非開示を前提に数人の報道関係者とアナリストに対して説明会を行った。だが、チップの価格とパフォーマンスの仕様の詳細は秘密にされたままだった。

 PCのOEM各社には製品予定が報道関係者から内々に伝わっていた。TechWebはIntelのNDA(機密保持契約)説明会に加わっていなかった。Intelによれば、公の1.5と1.4GHzの“価格”は819ドルと644ドルという。これは1000個単位での価格だ。チップの性能については、“全ては開発ロードマップ上だ”としていたらしい。そのためか、いろいろな憶測が流れた。アナリストやハードウェア主導のレビューサイトがNDAに拘束されている間、Pentium 4の1.5GHzはPentium IIIの1.0GHzよりも16%速いだけ、というオンラインレビューもあった。

 その一方で、ほとんどのOEMは、SDRAMメモリを用いたチップセットとシステムが製造される2001年後半に並ならぬ期待をかけている。Pentium 4は、RDRAMメモリと非常に近い。これに関しては、IntelのCEO、Craig Barrettすら「ミス」と認めている。

趣向を凝らすOEM各社 

 バラエティに富んだOEMからのさまざまなPCの登場が期待されている。OEMの中には、リセラーも含まれる。伝統として、最先端技術はコンシューマー向けPC製品に用いられるが、アナリストとOEMらによれば、ハイエンド製品に関してもPentium 4レベルの性能を求める製品があるという。

 IBMのコンシューマー向けPC、A60iはATI Technologiesの最新のAll-inWonderカード向けにデザインされている。このカードは、TiVoやReplayTV、無料のGudePlusチャンネル・ガイドが提供するようなビデオを格納できるようなことができるものだ。ビデオは、VTRレベルの画像だと100時間に値する45ギガバイト、または75ギガバイトのハードドライブに格納され、9.4ギガバイトのDVD-RAMドライブに移すことができる。IBMでは、PCが室内にあることを好まない一部の家庭向けに、60ドルの周辺装置をバンドルして、PCに格納されたビデオがワイヤレスで近くにあるTVと通信できるという。

  “今年こそ、IBMの直販Webサイトの年だ”とRasa氏は語る。“この技術を少しでも早く提供したい”。IBMでは、IntelのPentium 4プロセッサを取り入れて、同製品を拡張性の高いものにしたいと意気込んでいる。Rasa氏によると、システムは最終チェックの段階にあるという。過去、Intelはチップセットとコンポネントの最終テストでの欠陥発覚に悩まされてきた。820チップセットのローンチの時もそうだった。

 CompaqのCommercial Computing Group長、Keith LeFervre氏によれば、同社では2600ドルでDeskpro EXSシリーズで展開するとのことだ。システムには、128メガバイトのDirect RDRAM、20ギガバイトのハードドライブ、グラフィックがNvidiaのGeForce2で、4つのUSBポートを持つという。

 Gatewayでは、コンシューマー向けのGateway 1400、1500、1500XLを提供するという。Gateway Businessでは、s1400とs1500モデルに加え、ビジネスPC用にデザインされたものを提供する。

 Dellでも、コンシューマー向けDimension 8100を約3398ドルで提供する。システムには最新の1.5GHzのPentium 4を搭載し、高速スピード40ギガのハードドライブも装着しているという。

 HPでは、デモ用の“Deep Forest”PCを展示した。同社のePCビジネスラインにPentium 4を搭載した製品である。

[英文記事]
OEMs Pleased With Pentium 4

[関連リンク]
Intel

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