BEA、J2EE 1.3実装のWebLogic最新版を発表

2000/12/8

 日本BEAシステムズでは、12月7日、Webアプリケーションサーバ「BEA WebLogic Server」の最新版を発表した。J2EE 1.3を実装したサーバ製品としては世界初という。

 同社が発表した新製品は「BEA WebLogic Server 6.0」。日本BEAのエンジニアもチームに加わり、開発に1年半かけ、初の日米同時発表となった。この日、発表のために来日した米BEA Systemsの会長、創業者兼CEOのBill Colemanが同社の戦略を説明し、同社の日本市場への期待を語った。

Bill Coleman会長 
BEAは20四半期連続で売上を伸ばしており、このままいけば、ソフトウェア企業としては最短スピードで10億ドル企業に達するという

Future-Proof――将来を約束する

 Coleman会長は、「Future-Proof」という言葉を用い、同社のミッションを語った。「Future-Proof」を日本語に直訳すると“将来を実証する”といった意味になる。Coleman会長は「eビジネスは常に変化する」とビジネスの性質そのものの変化を語る。システムもそれに応じて変わる必要があり、ビジネスの規模・形態の変化だけでなく、それを支える技術そのものの変化にも柔軟に応じていく必要に迫られているという。「eビジネスを展開するためには、早くシステムを構築し、変化に迅速に対応し、未来を約束する能力が求められる」(Coleman会長)。その仕組みをBEAは提供していくのだという。

 目標は「PCの世界のWindowsのように、“インターネット上でアプリケーションを動かすプラットフォームといえばWebLogic”となること」という。「ライバルIBMに2倍の差をつけたシェアを誇る」とデ・ファクトであることを強調した。

 それを裏付ける証拠として、Coleman会長は「フォーチュン誌のグローバル500企業のうち、ファイナンス系、コンピュータ・オフィス機器系、製薬系の100%の企業がわが社の製品を使ってシステムを構築している」と述べる。また、コンペティタからの乗り換えユーザーが多いことにも言及した。

 日本では、本拠地米国並みの知名度があるとは言えない同社だが、存在感を高めるため、都内移転や人員増強など具体的なアクションに移してきた。今後、大阪にも支社を設けることや、チャネルやパートナープログラムの充実、主力製品の日本語化などに取り組んで行くという。

J2EEで一歩先を行く新製品

 “メインフレーム並みのシステム・マネジメント能力と、「Tuxedo」並み(注)のトランザクション・プロセス速度を”を目標に開発したという新製品「BEA WebLogic Server 6.0」は、「エンタープライス・レベルのWebアプリケーションサーバの限界を押し上げる出来」(日本BEAシステムズ マーケティング本部 プロダクト・マネージャ伊藤敬氏)という。Coleman氏は「他社に1年リードを取った」と自信のほどを語っている。(注…「Tuxedo」は同社のTPモニタ製品)

日本BEAの代表取締役社長ギャレット・イルグ氏

 製品の最大の特徴はJ2EEの最新バージョン1.3を実装したことだろう。業界では初めてとなる。EJB 2.0とオープンなネットワーク管理規格であるJMX(Java Managemebt eXtention)に準拠する。これにより、単一のWebブラウザから複数のサーバを管理が実現する。J2EE 1.2には完全対応し、新たにJavaMailをサポートする。

 JMS(Java Message Service)によるメッセージ・クラスタリングでは、データベースに加えファイルでの永続化を行い、クラスタ間の同期にはマルチキャストかRMIを選択できるなどの機能が加わった。また、XMLに関しては対応を拡充、JSP(JavaServer Pages)によってサーバ間、クライアントとサーバ間でXMLデータの生成・通信が実現する。また、JSP向けのXML処理タグも追加されている。

 出荷は今月19日から。日米の差をなくすため、現地時間で米国と1日遅れての出荷日を設定した。アドミニストレーション・コンソールや全メッセージ、全リソース・ファイルが日本語された日本語版は、来年2月に出荷の予定。

(編集局 末岡洋子)

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日本BEAシステムズのプレス・リリース

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