米国ケータイ事業――加入者電話を維持したい理由

2000/12/9
Dec 6,2000(5:02 AM) By Meg Walker, TechWeb News

 消費者は予想を上回る勢いで加入者電話ではなく携帯電話を導入しているが、品質や通話エリアに対する大きな不安はぬぐい去れていないという――、The Yankee Groupが調査結果を発表した。

 2910人の携帯電話ユーザーを対象に実施する毎年恒例の調査のコーディネートを手伝ったアナリストのEugene Signorini氏の結論によると、サービスに関連する問題(そのうちのいくつかは現実として受け入れられるかもしれないが)がモバイルビジネスを阻害するかもしれないという。

 「ユーザーが携帯電話で電話をかけることにさえ不安を抱くのに、取引を行うことなどできるだろうか?これは障害ではあるが、克服できないものではない」(Signorini氏)

 この調査結果は携帯電話の利用に関してちょっとした問題を提示しているが、モバイルの将来性に関してはあくまでも強気の予想となっている。

普及率は37%、5年後に60%台に

 今日の米国における携帯電話の普及率は37%となった。The Yankee Groupでは、2005年には62%にまで上昇すると見ている。この予想をベースに考えると、携帯電話の加入者数は今日の1億人から2005年には1億7700万人に増えることになる。

 携帯電話による通話の72%は個人的な利用によるもので、残りの28%はビジネス関連となっている。携帯電話による通話の大半(61%)は、車などの交通機関の中から行われており、6%が「主たる仕事場」で、12%は家からとなっている。

 車からかける通話の割合は1999年から減少しており、調査担当者たちは人々がもっといろいろな場所に携帯電話を持っていくようになった、と分析している。「人々は生活の一部として携帯電話を持つことに慣れたようだ。車の中だけの話ではなく、今ではどこにでも持ち歩くようになっている」(Signorini氏)

 今回の調査では、回答者のほぼ95%は携帯電話を利用しており、29%は加入者電話の代わりに携帯電話を使うこともあると回答している。

 だが、人々が完全に加入者電話を手放すことはないようだ。回答者の75%は携帯電話と家にある電話は別の物だとしており、この数字は1999年の67%から上昇している。「携帯電話では加入者電話と同じような安心感が実現できていないからだろう」(Signorini氏)

 回答者の5〜7%は、音質の劣化、通話エリアの問題、通話の中断や切断、干渉もしくは未完了を「非常に頻繁に」経験したことがあるという。これらの数字は1999年の2〜3%から上昇している。

 また、音声品質、通話エリア、料金に見合う価値、そしてカスタマーサービスに対し75%はおおむね満足していると答えたが、非常に満足していると答えた人はわずか41%だった。

 子供を持つ回答者の23%によると、18歳以下の子どもの少なくとも1人は携帯電話を使っているというが、これも1999年の5%から上昇している。また、回答者の54%は、その主な理由は緊急時や安全確保のためだとしている。また、回答者の72%によると、料金を支払っているのは両親だという。

金融取引にモバイル?――「No」

 利用する取引に関する質問に対しては、家電製品、旅行のチケット、イベントのチケット、CDやビデオ、もしくは書籍を購入する際には、回答者の15〜25%が加入者回線接続でインターネットを利用するとしている。

 38%は、これらの取引を行うために無線機器を使用することに全く関心がないという。また75%は、金融取引は無線機器やネットでは行いたくないと答えている。

 自分の携帯電話で使いたいアプリケーションとして上位を占めたのは、住所録(54%)、カレンダー(42%)、そして電子メール(38%)だった。28%は、交通や株価速報といった専門情報には喜んで利用料を支払うという。

 Signorini氏によれば、現在提供されているサービスが、出先で商品の購入や取引を行う必要のあるユーザー向けにデザインされたものではないので改善の余地があり、モバイル商取引にはまだ潜在能力が残されているという。

 「動き回る(モバイル)ユーザーを意識して作られるモバイル中心のアプリケーションが専用アプリケーションの特性を定義していってくれるだろう。今あるものは、画期的なモバイル商取引ソリューションとは言えないのではないだろうか」(Signorini氏)

[英文記事]
Wireless Gains On Landlines, But Doubts Remain

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