IBM、最大級のLinuxクラスターシステムを公開

2000/12/14
(12/12/00, 1:11 p.m. ET) By Kim Renay Anderson, TechWeb News

 IBMの会長、Louis Gerstner氏は、「インターネットにより、ユーザーはオープンなコンピューティングの標準技術を目指す方向にある」と語った。EMCやSun Microsystems、Microsoftのような巨大企業が開発した閉鎖型のシステムと比較をしてのことだ。

LinuxがNTをしのぐ?

 米ニューヨークで開催中の「eBusiness Conference & Expo」の基調講演で、Gerstner会長はWebに接続できる小さなデバイスの伸びにより、標準化の動きに拍車がかかるという見解を示した。標準化によって、デバイス同士がコミュニケーションできるようになるからだ。同氏はまた、Linuxの成長がNTの2倍規模であることにも触れた。

 “今日のインターネットのインフラストラクチャの技術は、決して十分なものとは言えない”とGerstner会長は語る。“標準ベースのコンピューティングの動向は逆らいようのない波だ。それでわが社ではLinuxに社運を賭けるのだ”

 ロイターによれば、同氏は“Linuxをビジネス利用に対応できるものにする”と語り、慶應大学が、2つのキャンパスを結ぶシステムを、同社のLinux搭載機1万5千台を用いて構築することにも触れたという。

最大級のLinuxクラスターシステム

 IBMでは、Royal Dutch Shell社の1部門、Shell International Exploration and Production向けに、世界最大のLinuxスーパーコンピューター級のクラスターの構築を計画している。Linuxクラスターでは、これまでのところ、4、5桁台のLinux搭載PCを用い、大規模なスーパーコンピューターよりも廉価に巨大なデータ処理演算を行える。慶應大学もその例だ。

 IBMとShellの契約書の上では、IBMは自社のX-Seriesサーバ製品1024台にLinuxをインストールすることになっている。Shellではこのシステムを探鉱調査から得たデータの計算と分析に用いるという。

 IBMはLinux分野に10億円を投資すると宣言している。同ショウに出席していた独立コンサルタントKevin O'Neil氏は、IBMが行ったLinuxへの投資の結果を見る良い機会だと語る。“このショウは、IBMが本当に、同社が持っている「卵」を一つの「バスケット」に入れていることを示すものだ”(O'Neil氏)

 ロイターでは、同社の投資金額である10億のうち、65%をeビジネスのインフラストラクチャにフォーカスした広告宣伝費に充てると報じている。

*この記事は一部編集しています。(@IT編集局)

[英文記事]
IBM Chief: Open Standards Are 'Net's Future

[関連リンク]
IBM
Red Hatのプレスリリース(慶應大学がRed Hat Linuxを用いて学内システムを構築)

 

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