SAN、NASに対応する中規模ストレージ製品、EMC

2001/2/7

山元部長 売上高500億円レベルに到達した日本法人では、ブランディングに力を入れる。3月以降には大々的なキャンペーンを展開予定という

 2月6日、ストレージ・システムのベンダー、イーエムシージャパンは中規模のストレージ・システム製品、関連ソフトウェアを発表した。合わせて2000年度の業績発表も行い、同社の今後の戦略を明らかにした。

多用な接続形態をサポートする新製品

 同社が発表した製品は「EMC Clarix FC 4700」で、ミッドレンジのストレージ製品に位置付けられる。すでに発売済みのミッドレンジ、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)製品である「FC 4500」と比較して、可用性、機能性、管理性を強化した。

 可用性では、Clarixシリーズに共通の特徴として、CPU、ファンなど全コンポーネントがホット・スワップ対応するが、新製品ではこれに加え、フェイル・オーバーを活用した「ATF」機能を用いて無停止でのソフトウェアアップデートも実現した。

 性能では、帯域、IOPS(1秒あたりのIO値)ともに「FC 4500」の2倍を達成するという。機能では、災害復旧に備え別のClarixにリモート・コピーを作製する「MirrorView」、アプリケーションのバックアップとして「SnapView」などがある。管理面では、従来の管理ソフト「Navisphere Manager」にオープン化を取り入れ、チボリやコンピュータ・アソシシツといった他社の管理ソフトウェアとの連携も可能とした。

 新製品のもう1つの特徴は、異なる接続形式に対応する点。SANに位置付けられる新製品「FC 4700」と昨年末に発表したNAS製品「IP 4500」とでは、ボードを入れかえるだけでSANとしてもNASとしても利用できるという。これにより「SAN、NAS論議に終止符を打つ」と同社プロダクト・マーケティング部ディレクター 清水照久氏。「顧客の投資資産を無駄にしない」と語る。

 最大容量は7.3テラバイト、高速キャッシュメモリ2GB搭載。ファイバ・チャネル接続ポート数は4ポート。

シェア20%に到達、差別化は「R&D」

 2000年度も同社は順調に業績を伸ばした。2000年第4四半期では、前年同期と比べ1.5倍の増収、過去最高の伸びとなった。「ストレージ全体の市場の成長率が年率16%前後と言われる中、これを上回るペースで成長している」と同社マーケティング&コンサルティング統括本部長 山元賢治氏。情報を中心としたシステム構想“Networked Information”を提唱して以来、情報をいかに蓄積し、管理し、アクセスするかを課題としてきた。今年はそれに加え、“Core to Edge”――基幹となるシステムと支店や拠点との間でいかに情報を流通させるか、にも焦点をあてていく。

 シェア1位を維持するため「研究に積極投資する」と山元部長。これまで50億ドルという膨大な金額を投入してきたがこの規模を維持していく」。相互接続性検証も“バーチャライゼーション”として進められているという。

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EMCジャパン
Clarixストレージ・システム

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