中小規模向けNAS市場へデルも参入

2001/2/20

 デルコンピュータは2月19日、同社のストレージ製品群「PowerVault」シリーズに新たに中規模NAS(Network Attached Storage)システムを対象とした「PowerVault 735N」を付け加えたことを発表した。

2Uラックマウント型の「PowerVault 735N」 

 NASは既存のネットワークにストレージを接続する構成で、SAN(Storage Area Network)に比べ、簡単にストレージシステムが構築できるという利点を持つ。同社の新製品はアプライアンス型で、接続・設定するだけでネットワーク上にある複数のサーバ、クライアントによるデータやファイルの共有を実現する。

 データ容量は最大で1.44TB。UNIX、Linux、Windowsベースのサーバが混在するヘテロジニアス(異機種混合)環境をサポートするため、既存のシステムを変更することなくデータ共有環境を実現するという。

 OSにはマイクロソフトのNAS専用OSである「Microsoft Windows Powered NAS」を採用、Webベースで行えるという導入は、ネットワークを一時停止することなく、最短約15分で完了するという。拡張は、外付けSCSIストレージ製品(「PowerVault 210S」)を増設する。

 価格は、CPU(Pentium III 866MHz)を1基搭載の最小構成で99万8千円。販売は、同社ダイレクトセールス事業部またはインターネット直販を通じて3月1日より開始する。

 独自のセールス方式“デル・モデル”により米国PC市場を席巻したデルだが、PCが飽和状態にあることもあり、昨年末から全社的にサーバおよびストレージ分野にフォーカスをシフトしつつある。先週発表された米国本社の2000年度第4四半期の業績でも、サーバは業界平均の出荷台数を3倍以上も上回ったと報告されている。今回の新製品は、EMCなど他のストレージシステムのベンダーも注目しているミッドレンジ市場をターゲットとしており、同社では価格を特徴の1つとして売り込んで行く構えのようだ。

(編集部 末岡洋子)

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デルの発表資料

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