操作性にこだわった「Office XP」、6月にも登場

2001/4/3

 4月2日、マイクロソフトのオフィス・スイートの次期バージョン「Office XP」の日本語版が発表された。XPの名称はWindows XPと同様に「eXperience」の略称だが、ユーザーからのフィードバックを受け新たなエクスペリエンスを提供するという意味をもたせている。製品の出荷は第二四半期中、つまりは6月までには出荷される。

 前バージョンのときにくらべ出荷間近の急な発表となったOffice XPだが、発売前に2つの特別プログラムが提供される。まず4月2日から同社のWebサイト(http://www.microsoft.com/japan/office/)で2,002人を対象にプレリリース版を配布するプログラム「Office XP プレリリース版 特別提供プログラム」の募集を開始する。さらに4月2日から7月31日までの間、Office 2000ユーザーに向けた「Office XP XPパスポートキャンペーン」を行う(詳細はマイクロソフトのWebサイトを参照:http://www.microsoft.com/japan/office/xppassport/)。

■変更された製品構成

 パッケージからは「Premium」版がなくなり、Officeのパッケージに「PhotoDraw」と「Publisher」が含まれなくなった。これらは単体のパッケージで発売される。店頭販売されるパッケージの価格は「Office XP Personal」が4万4800円(アップグレードが2万1800円)、「Office XP Standard」が5万7800円(同2万8000円)、「Office XP Professional」が6万9800円(同3万7800円)だ。

 このほかに本数限定のアップグレードパッケージとしてIntelliMouse Opticalが同梱された「Office XP Professional Special Edition」が提供されるほか、「Professional」版にForntPageを含んだ「Office XP Professiional with FrontPage」がライセンスのみの提供となる。  

■操作性の向上とチームワーク機能の強化

スマートタグはユーザーが次に操作の必要があるコマンドをメニューに表示してくる。ユーザーはメニューから次の操作を選択し、作業が滞ることなくスムーズに次のステップに進める 作業ウィンドウには頻繁に使用するコマンドが一覧表示される。メニューを1つ1つ開く必要がないため快適な操作が可能だ。また、クリップボードのサムネールも表示することができるため、複数クリップボードにコピーした状態で作業を効率よく行うことができるようになった

 エンドユーザーにとっての大きな拡張は「スマートタグ」と「作業ウィンドウ」だ。スマートタグは操作を行った先に常にスマートタグが小さなアイコンで表示され、これをクリックすると次の操作の候補が表示される。そのためユーザーはスマートに操作を継続できるというわけだ。例えばオートコレクト機能で自動的に設定される箇条書きを解除したり、貼り付けた内容の書式をスマートタグから展開されるメニューから選ぶだけで自由に変更できるため、従来よりも作業効率は格段に向上する。作業ウィンドウは使用頻度の高い機能を1つのウィンドウに集めて表示する機能だ。多くのメニューからコマンドを選択しなければならない作業負荷を軽減する。さらには、Office 2000ではクリップボードの内容はアイコンでしか表示されなかったが、Office XPでは作業ウィンドウにサムネイルがプレビューで表示される。

 SharePoint Team Servicesは企業の部門のおけるイントラネット構築に有効な機能といえる。これはOffice 2000のOffice Server Extensionを拡張したもので、Windows 2000とIIS 5.0、MSDE(もしくはSQL Server 2000)で実現する。連絡先やスケジュール、ディスカッションなどの豊富なテンプレートが付属し、これらを使い簡単なWebベースのコミュニケーションサイトを構築できる。さらに高度にカスタマイズしたい場合は、FrontPage でカスタマイズすることも可能だ。

■XMLのハンドリングツールとしてのOffice XP

 AccessおよびExcelはデータ形式としてXMLをサポートした。Accessは量のデータをXML形式で交換したり、レポートやフォームをWebブラウザにそのまま表示するためにXML形式に変換するといった用途に利用できる。ExcelはXMLデータをそのまま取り込むことを可能にした。

■カスタムソリューションを提供する開発環境

 Office XPにはOffice XP Developerが用意される。Exchange ServerおよびSQL Server 2000をバックエンドにワークフローを構築できる。ビジュアルにダイアグラムを組み合わせることで承認や申請といったワークフローを構築できるツールも提供される。Exchange Serverと構築したワークフローは開発コード名をTahoeと呼ばれていたSharePoint Portal Server 2001上に再構築することも可能だ。

 また、身近なところでは前述のスマートタグをカスタマイズするカスタムタグSDKを利用すると、使い方に応じたスマートタグを自由に作成できる。入力した氏名から簡単にメールの宛先を指定するなど、頻繁に利用する次の操作を示すことで、作業効率を高めることができる。

 構築したシステムの企業への展開にはOffice XPリソースキットで提供される。リソースキットはパッケージでは提供されず、ボリューム ライセンス版のOffice XP CD-ROMに英語版が付属する。日本語版に関してはWebからの提供が予定されているという。

■ライセンス管理が厳密に

 Office XPからは「Microsoft Product Activation」(MPA)が導入され、ライセンスの管理が非常に厳密になる。これはインターネットや電話を通じてライセンス認証を行うものだ。50回起動するまでにライセンス認証を行わないと、51回以降は機能制限される。これは米国を含む7ヶ国では1999年6月より実施されているもので、日本国内でも深刻化する不正コピーに対処するものだ。

Office XP
Professional
Office XP
Standard
Office XP
Personal
Office XP
Developer
Word
Excel
Outlook
PowerPoint
Access
Publisher
Bookshelf
Basic 3.0
メディアコンテンツ
開発ツール
Step by Step
インタラクティブ
SharePoint
Team Services
表1 店頭販売パッケージのラインアップ

(編集局 宮下知起)

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