企業IT管理者を対象としたセキュリティ研究会が発足

2001/5/26

 5月25日、企業ユーザーや関連企業が集まり、「情報セキュリティ・マネジメント研究会(AISM)」が発足した。会長には一橋大学 経済研究所教授の安田聖氏が就任。今後、公開セミナーや研究会などの活動を通して、コンピュータ・セキュリティに関する知識の啓蒙と研究を進めていく。

会長に就任した安田教授

 情報セキュリティ・マネジメント研究会の発足の経緯は、1995年に開始した私的な勉強会にさかのぼる。その後、1997年に2年の期限でコンピュータ・セキュリティに特化し勉強会を開始したところ、継続の必要性を感じて今回の会の設立に至った。

 「情報セキュリティについての知識は、各企業や個人でばらつきがあるし、それが取り組み姿勢にも表れている」と会長に就任した安田教授。「例えば電子署名法1つとっても、なぜ必要なのかという知識レベルのユーザー、どう業務に影響するのかという知識レベルのユーザー、とユーザー間でギャップがあり、この差を埋めていくことが必要ではないか」とセキュリティの課題を指摘した。

 具体的な活動の柱となるのは、公開セミナーと会員による研究会の2つ。公開セミナーは年4回実施する予定で、基礎的・汎用的なテーマと応用的なテーマの2種類を取り上げる。研究会では会員の意見を参考に基礎的テーマ、専門的テーマについて分科会ベースで研究を進める。実施は月に1回、人数は1分科会につき10名程度に抑え、活発な活動を展開する。研究の成果については、Web、会報、成果発表会を通して発表する。応用的なテーマとしては、電子商取引における認証の問題、セキュリティ・ポリシー策定などを考えているという。

 同研究会ではベンダーに依存しない活動を目指す。そのため、スポンサー企業には活動資金提供のほか、研究会やセミナー会場の提供、研究会のコーディネーター役などを通して支援してもらう予定。現在、RSAセキュリティがスポンサー企業となっている。

 参加者は企業のシステム運営者を想定しており、研究会に参加する権利のある正会員となるには既存正会員2名以上の賛成が必要。現在の会員数は22名。

問い合わせ先:
情報セキュリティ・マネジメント研究会
東京都府中市宮西町5-6-8 叶屋ビル
Tel:042-336-0405 Fax:042-336-0559
e-mail:access@security-jp.org

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