モバイル事業を推進し、“場”を提供するHP

2001/8/9

 タクシーに乗って行き先を告げれば、そこはバーチャルオフィス。PDAなどのBluetooth対応端末でメールのチェックなどができる。目的地に着けば支払いは携帯電話で。運転手側では、行き先を聞いたら、地理情報や渋滞情報を即座にチェックし、目的地まで最適なルートを検索でき、ナビゲーションまでしてくれる――、シンガポールではこのようなサービスを実現するタクシーが来年末にも登場しそうだ。シンガポールのタクシー会社citycabは、ヒューレット・パッカードとエリクソンと共同でこれらのサービスの開発を進め、すでに段階的にトライアルを行っている。

 米ヒューレット・パッカードは全世界で「hp mobile e-services bazaar」を展開中だ。このプログラムでhpは、モバイル・インターネット分野でアプリケーションを開発するベンダや通信事業者を募り、企業間の交流を促進し、ソリューションの技術検証の場を提供する。目的は、同社のモバイル「e-services」のビジョンを実現すること。先のcitycabは、同プログラムで進行中のプロジェクトの1つだ。

「bazaarショーケース」内の様子

 HPは1999年10月、フィンランド・ヘルシンキで第1号のbazaarをオープンし、今年の7月には東京に第4番目のbazaarを開設した。現在、このプログラムに加盟する企業や団体は全世界に400社以上。加盟社の多くは開発会社だが、通信事業者やベンチャー・キャピタルも含まれる。日本では、すでにウルシステムズ、フレックス・ファーム、サイバード、IIJテクノロジーなど12社が参加しており、年内に30社の参加を目標としている。

 このプログラムの展開にあたり、日本HPでは、同社市ヶ谷カスタマセンタ内に「bazaarラボラトリ」と「bazaarショーケース」を設置、設備提供支援、技術支援、ビジネスサポート、マーケティングやファイナンス支援などのサービスを提供していく。

 日本でプログラムを担当する同社ビジネスカスタマ事業統括本部 e-services推進室 Mobile e-servicesマーケティング 田代俊介氏は、参加社のメリットとして、世界中の加盟企業を通し、援助や協力を得られるパートナーを楽に探せること、JavaやXMLなどの標準技術に基づき、2Gから3Gまで拡張性があるアプリケーションの開発ができること、ユーザー数の増加に対応できるソリューションが実現すること、海外での展開が可能であることなどを挙げる。すでにシンガポール政府機関のIDA(Infocomm Development Authority of Singapore)と提携し、シンガポールと日本の間で、お互いの市場への参入や事業展開を容易にしていくという(IDAは通信・IT技術を推進する機関)。

 日本HPでは昨年度の収益の約6分の1を通信事業関連から計上するなど、モバイルのインフラに積極的に取り組んできた。今後、「hp mobile e-services bazaar」プログラムを通して、その上で展開されるアプリケーション層にビジネスを拡大していくことになる。すでに、J-PHONEとのモバイル決済や電車内での情報提供などのプロジェクトが進行中という。「まずは、SFAやCRMなどフロントの部分でモバイル化が進むだろう」と田代氏は見ている。

携帯端末にバーコードリーダーを付属したモバイルPOSシステム

同社Pocket PC製品「Jornada」

(編集局 末岡洋子)

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日本HPの発表資料

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