トレンドマイクロ、家庭向けセキュリティ機器でハードに進出

2001/10/30

トレンドマイクロが発表したセキュリティアプライアンス「Trend Micro GateLock X200」

 トレンドマイクロは10月29日、家庭向けブロードバンド対応セキュリティアプライアンス機器「Trend Micro GateLock X200」(ゲートロック)を発表した。

 これまで、家庭やSOHO環境でのセキュリティ対策の中心はウイルス対策であった。しかし、ブロードバンド時代には、セキュリティホールを狙う不法侵入などの攻撃が多くなる。そうした常時接続環境でもPCを安心して利用するためには、PCのウイルス対策に加え、ファイアウォールの設置などによるセキュリティ対策が重要になる。

 トレンドマイクロが今回発表したゲートロックは、インターネットへの出入り口となるホームゲートウェイで使用し、家庭内LANなどをウイルスや不正侵入などの脅威から守るセキュリティ機器だ。同製品はPCだけにとどまらず、インターネットフォン、ネットワーク対応ゲーム機にも対応する。

 ゲートロックの特徴としては、(1)Anti-virusを搭載したウイルス対策機能、(2)パケットフィルタリング方式に加え、ステートフル・パケットフィルタリング方式を採用したファイアウォール機能、(3)ネットワーク上のパケットを監視するIDS(不正アクセス監視システム)機能を搭載していることが挙げられる。同製品の優位点は、購入後すぐに“プラグ&プレイ”で簡単に接続ができ、ウイルス駆除用パターンファイル(ウイルス定義ファイル、不正侵入監視用定義ファイル)などの自動更新機能を搭載するなど、できるだけ手間を掛けず初心者ユーザーでも利用できるように設計されていることだ。

 本体の主な仕様だが、OSにはLinux(カーネル2.4ベース)を、CPUにはMIPS CORE 133MHzを採用し、メモリは32MB搭載。IP/TCP/UDP/ARP/ICMP/PPPoEのプロトコル、xDSL/CATV/FTTHの回線に対応。 なお、今回発表されたゲートロックの入出力ポートは2ポートだが、将来4ポートの製品の発売も検討しているとのこと。

トレンドマイクロの代表取締役スティーブ・チャン氏

 同社のスティーブ・チャン(teve Chang)代表取締役社長は記者発表の席上、次のようなホームゲートセキュリティ戦略を語った。

(1)コンシューママーケットで、簡単に使えるデバイスとソフトウェアによる信頼性の向上

(2)パーソナルファイアウォール、アンチウイルス、パターンファイルのアップデート機能などを持った業界標準のソフトウェアの作成

(3)ISPなどとの家庭におけるビジネスモデルの確立

 さらに同氏は、「全世界のネットワークを守っていく企業になりたい」と、トレンドマイクロがセキュリティ対策ビジネスを牽引していきたいとの抱負を語った。

 なお、発売に先駆け2001年11月下旬より2002台限定で、「セキュリティブロードバンドリーダー2002」キャンペーンを行い、先行予約を受け付ける(価格は1万5000円程度の予定)。なお、通常の製品版の販売価格は2万5000円程度の予定。

[関連リンク]
トレンドマイクロの発表資料

[関連記事]
トレンドマイクロ、NIMDAの詳細を明らかに (@ITNews)
トレンドマイクロ、ブロードバンド時代のウイルス対策ソフト (@ITNews)
全世界で猛威を振るうワーム、NIMDA (@ITNews)
NIMDAで再確認されたセキュリティの基本 (NewsInsight)
Code Redが残した教訓 (Windows 2000 Insider)
シマンテック初のハードウェアは“プラグ・アンド・プロテクト” (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)