HPがアプリケーション・サーバを無償提供、その狙いは?

2001/11/27

 日本ヒューレット・パッカードは11月26日、J2EE準拠のアプリケーション・サーバ最新版「hp application server 8.0」を発表した。アプリケーション・サーバ市場には今年2月と後発参入となった(「HPが初のappサーバを発表、Webサービス市場へ本格進出」参照)同社だが、新製品の標準版を無償で提供(サポートは有償)することによりユーザーの拡大を狙う。また同社は同日、新製品を含むミドルウェアおよびWebサービス戦略についても明らかにした。

第3世代のAppサーバ「hp application server 8.0」

 hp application server 8.0は、「Total-e-Server 7.3」の後継となるJ2EE準拠のWebアプリケーション・サーバ。フレームワークをアプリケーション・サーバ自体に適用、必要に応じてEJBコンテナなどのモジュールを載せる“サービス志向のアーキテクチャ”を持ち、同社では第3世代のアプリケーション・サーバと位置付けている。

 同製品は、管理機能としてJMX(Java Management Extensions)をサポートし、ダイナミック・コンフィギュレーションの「Hot Versioning」や、負荷分散の「LBB(Load Balance Broker)」、フォルト・トラレンスの「State Server」といった機能を特徴に持つ。今回、無償提供されるのは、通常のJ2EEアプリケーション開発および実行に必要な機能が備わった標準版(12月上旬より同社Webサイトにて)。JTS、JMSやPersistant State Serverなどの機能を含む拡張バンドルは有償(100万円/CPU)となる。

Webサービス構築製品群を強化

hp netaction

 同社はこの日、Webサービス関連の戦略および製品ロードマップも明らかにした。それによると、今年6月に発表した「e-services」のミドルウェア「hp netaction」(「Netactionの詳細を発表、「開発者コミュニティ形成に取り組む」」参照)の中核に、Webサービス関連のソフトウェア群として「hp netaction internet operating environment(IOE)」を置く(右図参照)。hp netaction IOEはコンポーネントベースで提供され、同社application server 8.0のほか、他のアプリケーション・サーバでも動作するようにしていくという。

 その1つが「hp web services platform」。同社では、Webサービスを、既存のJavaオブジェクトをWebサービスとして公開し、1対1のやりとりで実現される“シンプル”Webサービス、ドキュメント交換を伴ったn対nのやり取りに対処する“コンプレックス”Webサービスと2段階に分けて定義しており、web services platformは前者を実現するもの。独自実装のSOAPサーバ「HP‐SOAP」、WSDLやJavaクラスなどをサポートしたWebサービスの開発支援ツール、UDDIプライベート・レジストリおよびUDDI検索ブラウザ、Apache Cocoon2などを提供する。同製品のベータ版の提供はすでに始まっているが、この12月に完成度の高いDevelopper Editionをリリースする予定だ。Developper Editionでは同社アプリケーション・サーバ(Total-e-Server 7.3)をサポートし、来年2月に発表予定の製品版で正式に他社製アプリケーション・サーバのサポートを行う。

 この他、アプリケーション・サーバ上で稼働するプロセス統合エンジン「hp process manager interactive」や、トランザクションの仕様であるBTP(Business Transaction Protocol)をサポートしエンド・ツー・エンドのトランザクション管理を行う「hp web services transactioning」など4製品を発表し、今年の末から来年にかけ順次出荷していくことを明らかにした。

 現在、世界のJ2EE準拠アプリケーション・サーバ市場での同社のシェアは5%を切る。買収元のアプリケーション・サーバベンダ、Bluestoneが進出していなかった日本市場のシェアはさらに低いという。今後、アプリケーション・サーバが普及し、コモディティ化する動きに合わせ、HPではアプリケーション・サーバでのシェア拡大よりも、アプリケーション・サーバを問わない上位のコンポーネントを提供して、ユーザーを増やす考えだ。また、W3CやUDDIはじめ各種標準化団体にも積極的に参加、貢献していることにも触れ、日本でもXMLコンソーシアムなどへさらなる参画を行うとした。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
日本HPの発表資料(「hp application server 8.0」の使用ライセンスを無償化」)
日本HPの発表資料(「hp netaction internet operating environmentを強化」)

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