[JavaOne Conference in Japan開催]
「成功は今後も」――新フェーズに入るJava

2001/11/29

ジョン・ゲージ氏 「日本はJ2MEでは先行した」
 サン・マイクロシステムズは11月28日、横浜で日本初となるJavaのデベロッパー・カンファレンス「JavaOne Conference in Japan」を開催した。80社以上の出展社が展示を行い、テクニカルセッションは65以上開かれる。同社では30日まで3日間の会期中、国内・外から5000人以上の来場者を見込んでいる。

 初日11月28日の基調講演では、米サン・マイクロシステムズ チーフ・リサーチャー兼Science Officeディレクター ジョン・ゲージ(John Gage)氏がモデレータを務めた。途中でサン・マイクロシステムズ 代表取締役兼社長 菅原敏明氏も登壇し、日本でのJavaの成功について語った。

 菅原氏は、NTTドコモほか携帯事業者がJ2MEを採用するなど、7000以上のJavaアプリケーションを生んだ携帯電話市場でのJavaの成功に触れた。JavaOneは今回米国外での初めての開催となる。その背景には、アジアで特に目覚しい携帯電話などモバイル分野でのJavaの浸透がある。Java対応の携帯電話は世界で1000万台以上が出荷されているが、その80%は日本市場。モバイル以外では、台湾で来年、個人のヘルスケア情報の格納にJavaCardが採用されるなどの事例を挙げる。今後はPDA、自動販売機などさまざまな機器に搭載され、「もっとエキサイティングでもっとスマートなサービスが登場するだろう」(菅原氏)。そして、「さらなる開発者が必要だ」とコミュニティへの参加を呼びかけた。

リッチ・グリーン氏

 最後に登場した米サン Java&XML ソフトウェア開発担当バイスプレジデント リッチ・グリーン(Rich Green)氏は、Javaの歴史をたどり、将来を語った。「ジェームス・ゴスリング(Dr. James Gosling、米サン マイクロシステムズ Sun Labsバイスプレジデント兼フェロー)が1990年代、“write once,run anywhere”としてJavaを設計したのがフェーズ1、デスクトップからワイヤレス機器などのネットワークのエクストリームに搭載され始めたのがフェーズ2。Javaはワイヤレスのデファクトに、アプリケーション・サーバのデファクトになった」とグリーン氏。「今後はコンピューティングモデルそのものが変わり、サービス中心になる」。新しいフェーズでは、情報がいつでもどこでも、必要に応じて、パーソナライズされて届けられるようになる。「(これらを)“Java Powered”サービスが実現する」。

展示パビリオンではシャープが米国で発売したLinuxベースのZaurus「Zaurus SL-5000D」を展示していた(参照記事) 日本での発売予定はいまのところはない

 具体的には、J2EE、XML、UDDIがベースとなるWebサービス、各種(Web)サービスがユーザのニーズに合わせて統合される“サービス・オン・デマンド”が必要となる。同社はこれを、Javaのほか、Webサービス構想「Sun ONE」、そして同社がマイクロソフトに対抗して立ち上げた個人認証技術「Liberty Alliance Project」で実現して行く(「“自由”を掲げ、MSに対抗するSun ONE」参照)。

 「Javaは単一のエンド・ツー・エンド・アーキテクチャ。“write once,run anywhere”をキーに、サンだけではなく400以上の企業がサポートしている」。最後にグリーン氏は会場の開発者に向け、「自分の見識を広げ、コミュニティと一緒に素晴らしいシステムを構築しよう。Javaはこれからも、イノベーション(革新)をリードしていく」と、メッセージを贈った。

JXTA、J2SEとJ2MEへ実装

 同日プレス向けに、サンが今年2月に正式に立ち上げたPtoPプロジェクト「JXTA」についてのアップデートの説明会が行われた(「サンのPtoPは「JXTA」、ビル・ジョイが発表」参照)。

 JXTAは、PtoPアプリケーションを構築するためのプログラミング・プラットフォームで、XMLをベースとした完全なオープンソース。サンの掲げる“The Network Is the Computer”という構想上にPtoPが位置付けられることから、同社チーフ サイエンティスト ビル・ジョイ(Bill Joy)氏自らがリーダーシップをとってアーキテクチャの構築を進めている。

Matt Reid氏 Steve Waterhouse氏

 説明を行ったのは、米サン Project Juxtapose Business Development Group ManagerのMatt Reid氏と同 Director of Engineering Ph.D. Steve Waterhouse氏。両氏によれば現在、同プロジェクトには約7000名の開発者が参加しており、13万件のダウンロードがあったという。開発中のプロジェクトは50程度ある。C言語をはじめその他の言語への対応を進めているという。

  • J2SEとJ2MEへの実装
    JXTAはJ2SE、J2MEへ実装される。JXTAはプロトコルベースのアプローチなので、当面はオプションとして実装されるが、「将来的には標準APIに組み入れたい」という。

  • MIDP(Mobile Information Device Profile)とJXTA
    MIDPの端末を“エッジ・ピア”とし、MIDPベースのJXTAアプリケーションの開発が進んでいる。アプリケーションには、IM(インスタント・メッセージ)やゲームなどがあるという。

 Reid氏が紹介したJXTAベースのチェス・ゲームでは、2人がチェスをプレイし、ゲームを観戦する人がプレーヤにアドバイスすることも可能という。

 今後の予定として、数カ月かけてプロトコル策定を行い、次の四半期中にはコアの実装のアップデートを行うという。

[関連リンク]
JavaOne Conference in Japan
Project JXTA

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