シマンテックとラック、包括的なセキュリティサービスで提携

2002年3月20日

 シマンテックとラックは3月20日、ウイルス対策や不正アクセス対策といった、企業のネットワークを守るために必要なセキュリティ対策を包括的に提供するサービス事業で提携し、4月よりサービス提供を開始すると発表した。

 アンチウイルス/ファイアウォールなどの製品を提供しているシマンテックと、不正アクセス対策や侵入監視サービスを行うラックが、双方のセキュリティソリューションを統合することにより、企業ユーザーに対してトータルなセキュリティサービスを実現するという。

 両社は、変化する未知の脅威に対しての予防策と回復策のバランスを取った総合的な対策を目指し、両社のセキュリティデータベースの統合といった技術面での協業と、ラックが運営するセキュリティ運用監視センターJSOC(ジャパン・セキュリティ・オペレーション・センター)を軸とした新たなビジネスの展開を予定している。堅牢性の高いセキュリティソリューションが必須となる官公庁や企業などへ積極的に営業展開を図るという。

 今回のサービスとして、不正侵入検知は月額20万円から、ファイアルール構築/メンテナンスは月額5万円から設定でき、従来のサービスより割安となる設定にするともいう。不正アクセスやデータの改ざんなどが行われた場合の保証などに関しては、現在検討中とのこと。

 この提携によるシマンテックの狙いとしては、日本国内においてウイルス対策ソフトベンダとして業界No1のポジションを得ること。単一のウイルス対策ソフトベンダではなく、コンテンツフィルタリングやファイアウォール、VPN、ポリシー監査などのトータルソリューションを持ったセキュリティベンダであることをアピールすることも大きな狙いである。シマンテック 法人営業事業部ソリューション営業部部長 根岸正人氏は、「この提携により、静的であったセキュリティソリューションを動的なものに変える」とセキュリティ業界の流れを変革すべく意気込みを語った。

 またラックは、シマンテックのセキュリティ製品の販売および製品の導入やコンサルティングなどのセキュリティサービスを提供する。さらに、導入後の企業のネットワークに対してマネージドサービス(監視サービス)の提供も行うことにより、導入から運用まで一貫したセキュリティの構築とサービスの提供が可能となる。ラック 不正アクセス対策事業本部 取締役本部長 西本逸郎氏は、「従来は不正アクセスとウイルスは別のものだと判断していたが、今はその境界がなくなり、両社の技術・情報の提携が不可欠である」とその必然性を語った。

 従来より行っていた最新セキュリティホール情報配信サービスSNS-DBにシマンテックの情報も取り入れていき、開発者への情報配信だけであったものを、今後は顧客先のレベルに合わせた情報を配信していくという。さらに、JSOCは企業ごとのサーバの監視のみならず、データセンターごと監視することも検討中であり、JSOCの現在の顧客数50社を2002年12月までに150社に伸ばす予定である。

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シマンテックの発表資料
ラック

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