サンのハイエンド・サーバ「はっきりいってIBMとは競合になってない」

2002/4/25

同社 エンタープライズ・サーバー事業部兼ストレージ営業本部統括部長 山本恭典氏

 サン・マイクロシステムズは、ミッションクリティカル・システム向けのサーバ「Sun Fire 12K」と、ストレージ「Sun StorEdge 3900/6900シリーズ」の両製品を発表、販売を開始した。いずれもハイエンドのラインナップに位置する製品。

 サンは、同社得意のUNIXサーバ市場においてIBMからの激しい追い上げを受ける一方で、ストレージ分野では日立製作所と手を組み、成長分野への参入に成功している。同社の山本恭典 エンタープライズ・サーバー事業部兼ストレージ営業本部統括部長はIBMについて、「(競合製品といわれているIBMのUNIXサーバは)ベンチマークも公表されておらず、対応ソフトウェアも少ない。はっきりいってサンと全然競合になってない」と切り捨て、強気の姿勢を貫いた。

 ストレージ市場では、サンの提携先であり、実質的にサンのストレージ製品の供給元である日立が、IBMとのハードディスク部門の統合と合弁会社の設立を発表。同社にとっても混とんとした状態にある。しかし、サン・マイクロシステムズ 細井洋一取締役 製品事業統括本部長は、「合弁企業の日立の出資比率は75%。まだ何をやるかも不明なため、いまのところ弊社のビジネスに影響はないと考えている」と、こちらは静観の構えだ。

「Sun Fire 12K」

 今回発表したSun Fire 12Kは、同社のSun Fireサーバ・ファミリーの最高峰であるSun Fire 15Kに次ぐポジションの製品。これまでは、最大72CPU搭載可能なSun Fire 15Kの下位製品として、最大24CPU搭載可能なSun Fire 6800があった。今回のSun Fire 12Kはこのギャップを埋めることになる。最大52CPUまで搭載可能で、最大288GBのメモリーをサポート。これらのハードウェア資源を論理的に最大9つの論理区画(ドメイン)に分割して稼働させることで、複数のシステムを1台のマシン上で干渉させることなく運用可能にする。

 一方のSun StorEdge 3900シリーズは、最大11.9TBのディスク容量と1.4GB/SecのI/Oバンド幅を持つ。iDC(データセンタ)やハイパフォーマンス・コンピューティングでの利用を想定した製品。

 Sun StorEdge 6900シリーズは、最大10.6TBのディスク容量と400MB/secのI/Oバンド幅を持つ。スペック的には3900シリーズと大差ないように見えるが、6900シリーズでは、複数のサーバからストレージを共有したり、複数のストレージを1つのストレージとして管理する「ストレージバーチャライゼーション」をストレージ側のハードウェアとして実現しており、オンライン・トランザクションのような高負荷の用途を想定した製品。

[関連リンク]
サン・マイクロシステムズの発表資料

[関連記事]
サン、日立と提携後、初のハイエンド・ストレージを発表 (@ITNews)
サン、日立のハイエンド・ストレージ提供へ (@ITNews)
サン、新製品群「Sun Fire」でメインフレーム市場へ挑戦 (@ITNews)
「コンピューティングは.NETとSun ONEに収れんされた」とマクニーリ (@ITNews)
サン(太陽)は今年、輝くか?(NewsInsight)
メインフレーム並と胸を張るSun Fireのテクノロジ (@ITNews)
高性能・低価格が特徴、IBMの新UNIXハイエンド・サーバ (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)