複合型脅威の対応にはポイントではなくトータルソリューション

2002/4/25

 シマンテックは4月24日、5つのセキュリティ機能を統合したゲートウェイ用のセキュリティ・アプライアンス「Symantec Gateway Security(シマンテック・ゲートウェイ・セキュリティ」(SGS)を、6月中旬より販売すると発表した。SGSには、50ノードまでのModel 5110(180万円)、250ノードまでのModel 5200(360万円)、ライセンス数無制限のModel 5300(792万円) の3タイプがある。

左から、Symantec Gateway Security Model 5300、Symantec Firewall/VPN Appliance Model 200、Model 100

 SGSは、SOHOや中小企業、大企業の部門向けの製品で、ファイアウォール、ウイルス対策、不正侵入検知、Webコンテンツ・フィルタリング、VPNの5つの機能を搭載した1Uのアプライアンス。

 発表会の席上、シマンテック代表取締役社長 成田昭彦氏は、「昨年より企業向けの売り上げが大幅に伸びた。しかし、すべての企業がセキュリティ対策を行っているわけではない。主に体力のある大企業が導入しており、中小企業は人的・金銭的な問題により、対応が遅れている」と語り、従来セキュリティに対して積極的ではなかったユーザー層に新製品でアプローチしていく姿勢を見せた。

シマンテック代表取締役社長 成田昭彦氏

 従来のウイルス対策やファイアウォール単体だけでは防ぐことが難しいNimdaやCodeRedなどの複合型の脅威に対して、同製品のみで対策を行うことが可能になるという。例えば、外部からのアクセスには、まずVPNでフィルタをかけ、その後ファイアウォールを通し、ウイルスチェックを行い、コンテンツ・フィルタリングをかけた後に、内部のサーバにたどり着く。シマンテック ビジネス・アドミニストレーション本部製品企画部シニア・マネージャ 福田健男氏は、「未知の脅威に対して、どのようなセキュリティ機能を使って対応すべきかを考えることが難しくなっているのが現状。SGSでは5つのセキュリティ機能により、それを実現している」と述べ、同製品の価値をアピールした。

 また、SGSは5つのセキュリティ機能を搭載したことにより、導入コストが軽減できるだけでなく、それらすべての機能を1つの管理コンソールから運用できることから、各セキュリティ対策を異なる製品で管理する場合と比べ、運用が簡素化できるなど、運用管理コストを大幅に軽減できる。

 なお、1つのSGSがダウンしてもバックアップ用のSGSが立ち上がり接続を維持するハイアベイラビリティ機能や、ネットワークの負荷を分散させるロードバランシング機能などのオプションが用意されている。

 また、シマンテックはSOHOや大企業の部門向けなど、10〜30人ほどの小規模ネットワーク環境に対応したファイアウォールとVPNの統合アプライアンス製品「Symantec Firewall/VPN Appliance(シマンテック・ファイアウォール/VPN アプライアンス)」(SFA)も同時に発表した。専任のセキュリティ担当者がいない、本社やパートナー会社との間で暗号化されたVPNを安価に構築したい、などといった場合に適しているという。SFAの価格は、Model 100で12万8000円から。

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シマンテックの発表資料

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