開発環境を追加した「Oracle9i リリース2」登場

2002/7/12

日本オラクル 専務執行役員パートナービジネス担当の山元賢治氏

 7月11日、日本オラクルは「Oracle9i」の最新バージョンである「リリース2」を8月から順次出荷すると発表した。「リリース1」が登場したのは2001年10月のこと。「リリース1」は、「Oracle9i Databese」と「Oracle9i ApplicationServer(AS)」で構成される基盤ソフトウェアとして、RDBMS専業メーカーというイメージのぬぐい去りを図る同社の戦略製品だった。

 新バージョンは、「Oracle9i Databese」とJ2EE1.3に完全準拠した「Oracle9i AS」の連携機能を強化、新たにソフトウェア開発環境である「Oracle9i Developer Suite(DS)」を追加し、IT基盤を提供する製品から、ソリューション領域に踏み込む製品へと姿を変えた。

 基本製品であるデータベースとアプリケーションサーバ製品に関してはクラスタ機能を搭載、「メインフレームで達成していた堅牢なシステムをオープンシステムで可能に」(同社専務執行役員パートナービジネス担当の山元賢治氏)したという。

 「Oracle9i Real Application Cluster」と「Oracle9i AS」を組み合わせることで、フロントエンドであるWebサーバからバックエンドのデータベースサーバまで「24時間365日稼働し続けるシステムを実現できる」(同)という。

 また、リリース1では導入が困難だったシステムとして、企業情報ポータルやコンテンツ管理、ビジネスインテリジェンス、ナレッジマネジメントなどが挙げられるが、これらについても、「J2EE、Webサービス、クラスタ機能、セキュリティ、統合などの分野で250を超える新機能の追加により可能になった」(同)とする。

 「Oracle9i DS」は、J2EE、XML、Webサービスのアプリケーション開発環境を組み合わせた開発ツールキットである。コンポーネントフレームワークをはじめとするRAD(Rapid Application Development)テクノロジを採用し、「迅速なアプリケーション開発が行える」(同)ようになった。UMLモデリングにも対応し、データベースに格納されているデータ領域をワークスペースにドラッグ&ドロップするだけで、自動的にモデリングが行え、コード生成も可能だ。
 
 データベースとアプリケーションサーバ、開発環境、各種ツールが統合された製品で同社が直接競合するのはやはりIBMだろうか。山元氏は「IBMはすべて自社で用意できる。オラクルの持ち味はオープン環境で、さまざまなベンダと協力しながら展開できることだ。そういう意味では、直接の競合はIBMよりもBEAといえるかもしれない」とコメントした。

(編集局 谷古宇浩司)

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