「モグラたたき的対策は限界」、シマンテックの企業向けソリューション
2002/9/4
シマンテックは9月3日、企業のクライアントPC向けセキュリティソリューション「Symantec Client Security」（SCS）を、10月7日から受注を開始すると発表した。SCSの特徴は、ウイルス対策、ファイアウォール、侵入検知を統合した点だ。
同社はSCSをウイルスの大流行などでセキュリティに敏感になっている企業に売り込む。同時に受注を開始するウイルス対策の単体ツール「Symantec AntiVirus Corporate Edition 8.0」と合わせ、初年度で60億円の売り上げを目指す。企業のクライアント向け統合セキュリティソリューションは、業界で初めてだという。
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| シマンテックの代表取締役社長 成田明彦氏は、「セキュリティは企業の経営者になかなか理解されない。だが、新製品は投資対効果がはっきりとわかるソリューション」と、コスト削減効果をアピールしていた |
シマンテックの代表取締役社長 成田明彦氏は、SCSについて「セキュリティのモグラたたき的対策では限界がある。複合的な脅威にはトータルでのセキュリティソリューションが必要だ」と述べ、「クライアントレベルでの統合製品として新しい市場を作る」と宣言した。
企業はこれまで、メールサーバにウイルス対策ツールを導入して外部からウイルスが侵入するのを防いだり、ゲートウェイを設置して不正アクセスを受けないようにしてきた。しかし、昨年大流行したウイルス「NIMDA」は、電子メールで感染するだけでなく、Webブラウザを通じた感染やネットワーク内の共有ドライブを通じて感染するケースも多く、企業のセキュリティ対策が有効に働かなかったケースが多かった。また、オフィスで使っているノートPCを自宅に持ち帰ったり、取引企業先のネットワークに接続して、プレゼンテーションをする際などにウイルスに感染する危険も増えている。
シマンテックが発表したSCSは、NIMDAのようにさまざまな機能を複合したウイルスや、PCを社外に持ち出したときの不正アクセスの危険からPCを守るソリューション。クライアント自身を守ることで、未知のウイルスや不正アクセスに対する予防策とする。
SCSに含まれるセキュリティツールは、ウイルス対策のSymantec AntiVirus Corporate Edition 8.0と、不正アクセスからPCを守る「Symantec Client Firewall 5.0」。それぞれの機能はすでに発売されているコンシューマ用の「Norton AntiVirus 2002」や「Norton Personal Firewall 2002」とほぼ同じだが、管理しやすいように機能が統合されている。
例えば、SCSはクライアントの管理機能を統合している。これまでは、各クライアントに対してネットワーク管理者がツールのインストールやウイルス定義ファイルのアップデートなどを行う必要があり、手間とコストがかかっていた。SCSではネットワーク管理者が、コンソールの1画面からすべてのクライアントのウイルス対策とファイアウォール機能を一括管理できる。例えば、クライアントPCへのウイルス定義ファイルをネットワーク経由でアップデートさせることも可能だ。これらにより、ネットワーク管理者の作業量を減らし、企業のコスト削減を実現できるという。
SCSのライセンス価格は100〜249ライセンスで単価1万1600円。来年3月末まではキャンペーン価格として単価7000円で販売する。同時にSymantec Client Securityからウイルス対策機能だけを取り出したSymantec AntiVirus Corporate Editionの価格は、7700円（ライセンス単価）となる。
ネットワークのセキュリティを守るのは当然、という企業が増える中、今後はセキュリティにかかる手間とコストをいかに削減するかがソリューションの焦点になりそうだ。高機能を前提として、いかに簡単、低コストでセキュリティを構築できるかをアピールするソリューションが、今後ますます増えそうだ。
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シマンテックの発表資料
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