韓国ベンダ、低価格なIDSアプライアンスで日本参入

2002/9/18

 丸紅ソリューションは、韓国ベンダであるセキュアソフトのIDSアプライアンスを日本で発売したと発表した。管理ツールやマニュアルを日本語化したのは当然、コストパフォーマンスを武器に、インターネット セキュリティ システムズ(ISS)が大きなシェアを持つIDS市場に切り込む。

 セキュアソフトは韓国の代表的なセキュリティベンダで、韓国のファイアウォール市場では41%のシェアがあるという。今年8月末に設立した日本法人の「セキュアソフト」の代表 カン・スンウク氏は、「韓国ではセキュリティベンダが乱立し、価格競争が激しい。セキュアソフトはトップシェアだが利益率は低下している」と韓国市場の現状を説明。ではなぜ日本に進出するのか? 同氏は「欧米製品が広く使われている日本市場で成功し、それを基盤として欧米、東南アジアに積極的に進出したい」と述べ、日本法人を世界展開の中心とする考えを示した。

セキュアソフトのIDSアプライアンス「T50」

 丸紅ソリューションが発売したのはSOHO向けの「T50」、中小企業向けの「T100」、大企業やiDC向けの「T500」の3製品。管理ツールやマニュアル、ヘルプ、レポートなどを完全に日本語化したが、製品の最大の特徴は価格。基本価格はT50が88万円、T100が112万円、T500が328万円で、ファイアウォールやVPN、パケットフィルタリングのツールを追加することができる。T50はキャンペーン価格として今年末までは68万円で販売する。販売目標は初年度だけで12億円。

 セキュアソフトは、日本進出の理由の1つを「韓国市場は成熟し、今後のセキュリティ需要の大きな伸びが期待できない」ことを挙げるが、日本での販売戦略の中心も低価格がウリということでは、韓国市場の二の舞いにならないのか、疑問が残る。また、丸紅ソリューションはISSのIDS製品も扱っているが、製品の住み分けをどのように考えているのか。そうした点が今後の課題となりそうだ。

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