[JavaOne Conference in Japan開催]
今年も激しくTシャツを飛ばすゴスリン氏。SAPのJ2EE戦略が明らかに

2002/9/28

会場に向けてTシャツを飛ばすゴスリン(James Gosling)氏。客席には運良くこのTシャツを手に入れた女性デベロッパの姿もあった

 JavaOneの2日目のキーノートスピーチに登場したのは、Javaの生みの親であるジェームス・ゴスリン(James Gosling)氏だ。ゴスリン氏は登場するやいなや、恒例の巨大パチンコで会場にTシャツを飛ばしまくり、集まったJavaデベロッパーを大いに盛り上げた。

 ゴスリン氏の基調講演でのメッセージは2つ。1つはヘテロジニアスなネットワークに対する希望だ。ゴスリン氏は、「ネットワークにつながるものが2倍になれば、その価値は2倍以上になる」という「メカトフの法則」を引き合いに出し、あらゆるもの、携帯電話から牛乳瓶までがインターネットにつながるとき、その価値は現在に比べて飛躍的に高まるはずだとした。「Javaは、そうした多様性をもった世界の中で、携帯電話からサーバ技術までカバーする単一のフレームワークとして、ネットワーク全体を包含できるものになるだろう」(ゴスリン氏)。

 もう1つは、ソフトウェアのクオリティの将来像。その例として、NASAの火星探査機に積まれた自走式のロボット「ローバー」を取り上げた。火星への通信は往復で1時間かかるためリアルタイムな操作は不可能で、ローバーはJavaによって複数のセンサーを制御しつつ動作するようになっている。サン・マイクロシステムズは米ジェット推進研究所(JPL)と共同でこのプロジェクトを継続しているが、ここでの最大の問題は「テスト環境と実際の環境をどうやって一致させるか」だという。もちろん地球上では火星の地表面を再現させることはできない。こうした状況でどうやってソフトウェアの品質を向上させていくかは、重要なテーマだ。「いままでは納品されて実際に動かすまで、そのソフトウェアのクオリティは分からなかった。しかしオープンソースならそんな問題は発生しない。もうそういう時代ではないのだ」(ゴスリン氏)。

JavaOne展示会場。入口の正面にはサン・マイクロシステムズのブースが

SAPがテクノロジーメッセージを発信

 展示会場では、J2EE対応のアプリケーションサーバの展開を始めたSAPジャパンと、MacOS XでJavaサーバプラットフォームとして注目されつつあるアップルのブースに注目してみた。

 SAPジャパンはいわずとしれたERPベンダであるが、JavaOneにふさわしくJ2EEベースのWebアプリケーションサーバ「SAP Web Application Server 6.20」を展示。J2EEと同時に、同社の開発言語であるABAPにも対応することが最大の特徴だ。今後MySAP.comのアプリケーション群はこのプラットフォーム上に構築されていくとのことで、最新のSAP R/3はすでにそうなっているという。

SAPジャパンのブースでは、ビジネスよりもテクノロジを中心としたメッセージが語られていた

 SAP Web Application Server上でのソリューションとして、R/3以外のアプリケーションとも連携できるポータルとモバイル対応が、JSPとタグライブラリをベースに実現されている。また、R/3も含めたEAIソリューションもSAP Web Application Severベースで提供していくという。BEAシステムズやIBMといった既存のWebアプリケーションベンダは、アプリケーションサーバを足がかりにした業務システム市場への展開というアプローチを進めているのに対し、業務アプリケーションの巨人であるSAPが、それとは対照的に業務アプリケーションを足がかりにJ2EEベースのプラットフォームを展開しようとしている点は興味深い。説明員によると「SAPはいままでビジネス寄りのメッセージが中心だったが、今後はJ2EEのようなテクノロジー面でのメッセージも出していく」とのことだ。

アップルブースでサイベースvsオラクルの競演

 アップルは昨年に続いてJavaOneのゴールデンスポンサーとして展示会場にブースを構えた。今回の目玉は、オラクルとサイベースのMacOS X上での競演だ。サイベースは、Adaptive Server EnterpriseをMacOS X上でデモ。この製品は、画面上では日本語も問題なく表示されていた。また、グラフィックユーザーインターフェイスも備え、IPネットワーク上の機器やソフトウェアを自動的に認識して接続するMacOS独自のRendezvousネットワークテクノロジーにも対応。WebObjectsなどと容易に連携できるようになっており、完成度の高さをうかがわせた。日本語版のリリースは未定だが、登場はそう遠くなさそうだ。

MacOS X上で稼働するSybase Adaptive Server Enterpriseのデモンストレーション

 オラクルは、参考出品としてMacOS X上のOracle9iとJDeveloperをデモ。JDBCも開発されており、JDeveloperで開発したアプリケーションからOracle9iへの接続も問題ないという。オラクルとサイベースの両ベンダとも、MacOS Xへの移植については「ベースがUNIXであるため、何の問題もない」としている。アップルのアプリケーションサーバであるWebObjectsもJava対応しており、今後JavaサーバのプラットフォームとしてMacOS Xの存在感がどこまで高まるのか、これからのアップルの戦略次第だ。

(編集局 新野淳一)

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