Javaコンポーネントを監視、日本HPがWebサービスソリューション

2002/10/3

 日本ヒューレット・パッカードは、J2EEアプリケーションサーバに対応した運用管理ソリューション「hp OpenView transaction analyzer」(OVTA)を11月1日に発売すると発表した。出荷は12月1日から。

 OVTAの利用が想定されているのは、さまざまな企業が連携してワンストップのサービスを提供するWebサービス分野。Webサービスでは1つのJavaのコンポーネントがうまく動作せずにトランザクションに問題が出ると、Webサービス全体の処理速度が低下したり、サービスを提供できなくなる。OVTAはWebサーバ、J2EEアプリケーションサーバにエージェントをインストールして、コンポーネントごとに問題が起きていないかを監視する。

日本HPのソフトウェア統括本部ソフトウェア・マーケティング部 武内烈氏は「アプリケーションサーバはシステムが複雑化して管理が難しくなった」と述べ、OVTAの利点を強調した

 OVTAはWebサーバ、アプリケーションサーバだけでなく、クライアントマシンのアクセスから、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースというシステム全体を監視することができる。コンポーネントごとに、処理時間が何秒かかっているかをチェックでき、ボトルネックや障害が起きているコンポーネントをいち早く発見可能。監視できるコンポーネントは、J2EE EJB、JSP、Servlet、COMなど。OVTAの価格は63万4000円から。日本HPでは発売後1年で、5億円の販売を見込んでいる。

 OVTAは、HPの「hp OpenView internet services」と連携して利用することもできる。ユーザーがeコマースサイトで、カタログを参照し、商品を選択、バスケットに入れて、クレジットカードで決済するというような一連の流れを記録して、コンポーネント単位で分析し、トランザクションの問題点を見つけて、システム全体の高速化、安定化につなげることができる。

 OVTAはJ2EEとともに、.NET対応をうたい文句にしていて、日本HPは発表資料でもOVTAについて「業界初のJ2EEおよび.NETに対応した運用管理新製品」と表記しているが、正確には対応していない。対応しているのは.NETの原型となったWindows DNAのCOMコンポーネントだ。日本HPのソフトウェア統括本部ソフトウェア・マーケティング部 武内烈氏は、「.NETはいまの段階では対応していない」と未対応を認め、「.NETがミッションクリティカルな使用に耐えるかどうかわからず、どのようなサービスが提供されるのか方向性を見ている段階」と述べた。日本HP広報室も「.NETの概念は幅広く、発表資料ではこのように表記した。12月1日出荷する段階では.NETに対応していないが、.NET環境が整ってきた段階で対応させる予定」と苦しい言い訳をしている。

 いま、製品を発表する場合、何らかの形で「.NET対応」とした方が顧客企業の注目を集めるのは確かだ。しかし、「対応予定」を「対応」と言い換えるのは、勇み足ではないだろうか。

(垣内郁栄)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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