[IDF Fall 2002 Japan開催]
インテル、新プロセッサ「Madison」を市場回復のトリガーに

2002/10/24

 インテルは10月22〜24日にかけて行われている「インテル・デベロッパ・フォーラム」(IDF)で、エンタープライズ向けプロセッサ、Itanium 2の後継製品、「Madison」(コード名)のデモンストレーションを国内で初めて行った。Itanium 2からMadisonへのアップグレードの容易さをアピールし、従来製品との互換性を強調した。

米インテルの上級副社長兼エンタープライズ・プラットフォーム事業本部長のマイケル・フィスター氏

 米インテルの上級副社長兼エンタープライズ・プラットフォーム事業本部長のマイケル・フィスター(Michael J. Fister)氏は、Itaniumファミリについて「非常に強力な包括的プロセッサ製品で、市場に急激に浸透中だ」と説明。「2003年中ごろにMadisonが登場し、2004年には90ナノ技術を活用した後継プロセッサのMontecitoが登場する」と述べ、今後もファミリ製品の開発を継続する考えを示した。

 MadisonのデモはNECが発表したエンタープライズサーバ「TX7」で行った。すでにItanium 2が動作し、アプリケーションが導入されているTX7に対して、Madisonを搭載した別のパーテションを追加して装着。特別な操作をすることなくWindows .NET Server 2003が起動することを示した。NECソリューションズの執行役員 近藤忠雄氏は、プロセッサのアップグレードがに可能なことを説明し、「顧客の性能要求にフレキシブルに対応できる。互換性が高く、アップグレードが容易なため、いますぐにでもItanium 2を搭載したTX7を購入して、Madison登場後にアップグレードしてもらいたい」と述べた。インテル、NECともに冷え込んでいるエンタープライズ市場で、Madisonを市場回復のトリガーにしたい考え。現行のItaniumとの互換性を強調することで、企業の買い控えを防ぐ。

Itanium 2が搭載されたNECのサーバ「TX7」にMadison搭載のパーテションを追加で装着するデモ。Itanium 2から簡単にMadisonにアップグレードできることを示した

 Madisonを搭載したサーバはNECのほか、日本ユニシスなどがブースに展示。Itanium 2との性能比較のデモを行い、高性能をアピールした。インテルはまた、エントリレベルのNASアプライアンスに最適という超低電圧版のCeleronプロセッサ 400MHz版を発表。ストレージ分野にも力を入れる姿勢を示した。

 IDFでは米インテルの副社長兼最高技術責任者 パトリック・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏が基調講演を行った。パトリック氏は「インテルの役割はコンピューティングと通信の融合をシリコンで促進すること」と説明し、来年前半にも投入する予定のモバイル向け新プロセッサ「Banias」のデモを行った。Baniasを搭載した東芝製ノートPCの試作機を使って、バッテリーを最適化することで使用時間が従来より延びることや、無線LANなどブロードバンドの設定を簡単に利用できることをデモで示した。

 パトリック氏はコンピューティングと通信の融合を促進するため、無線LANのWi-Fi技術を開発する企業に対して、1億5000万ドルの投資をすると発表。Baniasには標準部品として、Wi-Fiの802.11aと802.11bに対応したデュアルバンド無線LAN機能がチップセット、プロセッサに提供される。インテルは投資を通じてWi-Fiを全世界に浸透させて、Banias搭載PCの普及にも役立てたい考え。

 インテルはプロセッサの高機能化という従来の路線に加えて、通信分野という新たな路線を積極的に開拓し始めた。通信分野を促進することで、インテル製チップが入った通信機器の売り上げを伸ばすことが基本戦略とはいえ、新分野を開拓する積極姿勢が強さの源だろう。

(垣内郁栄)

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