研修サービス向けシステムを「Webサービスの事例に」

2003/1/7

 リコーテクノシステムズと豆蔵、日本IBMはWebサービスを活用し、講座の検索から申し込み、受講確認までをワンストップで利用できる研修サービス向けのシステムを開発した、と1月6日発表した。リコーテクノシステムズは「Webサービスは優れた技術なのに利用が広がっていない。今回のシステムが事例の1つになれば」と話している。

 3社は新システムを研修サービスを提供する企業や、受講側の企業にオープンなシステムモデルとして提案し、普及を図る考え。技術情報の提供も行う。すでに日立ソフトウェアエンジニアリングが3社に協力する意向を示している。また、2002年10月にパブリックUDDIビジネスレジストリを運営開始したNTTコミュニケーションズも協力する方針で、2年をめどにパブリックUDDIを基盤とする研修サービスの認証や課金などのサービスを提供する。

 新システムは社内で開催される研修コースの情報や、インターネット上の研修情報サイトで告知される社外研修コース情報を、Webサービスを活用して統合する。研修コースを一括して検索し、情報を収集できるシステム。企業の人材開発部門が社内外の研修コースの情報を効率的に集めることができ、人材育成プランの参考にすることもできる。社員も研修コースがどこで(社内・社外)開かれているかを意識することなく、受講できる。申し込みの処理や受講受け付けの確認などのプロセスをシステム上で一括して行う。

 新システムは検索対象のシステム情報を独自に管理するのではなく、UDDIから入手する仕組み。そのため研修サービス提供企業が新システムに参入する場合でも接続が容易だという。

 システム構築ではリコーテクノシステムズが主に研修の受講側システムを担当。豆蔵は研修提供側のシステムを構築する。日本IBMはWebSphereを中心に、導入企業に対してWebサービスの技術支援を行う。研修サービスのシステムはリコーテクノシステムズと豆蔵の社内ですでに稼働している。

 リコーテクノシステムズは今回のWebサービスで開発したシステムを研修サービス以外にも広げる考えで、「ニーズと不特定多数を結びつける求人情報や賃貸情報のサービスを考えている」と話している。Webサービスはまだまだ、の声も聞かれる中でどのような展開を見せるか。Webサービスの今後を占う1つの要素になりそうだ。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
リコーテクノシステムズ
豆蔵
日本IBMの発表資料

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