「人手が足りない」ライフサイクル支援をIBMが強化

2003/1/15

 日本IBMは設計からエンジニアリング、生産技術、製造、マーケティング、販売、アフターセールスまで、製品のライフサイクルに関するあらゆるプロセスを支援するPLM(Product Life Cycle Management)分野の拡大を目指し、エンジニアリング企業やシステム・インテグレータ(SI)、コンサルティング企業などとのパートナーシップを強化する組織「PSA会」(PLM Service Alliance)を発足させると発表した。

 PSA会にはPLM分野のサービスを提供している国内のSIやコンサルティング企業が加わる予定。IBMが会員企業にPLMに関するノウハウを提供したり、ビジネス案件を紹介、PLMの戦略立案、販売方針の策定、人材育成プログラム、技術情報の提供などを行う。IBMは年内に同会に30社の参加を予定している。1月中にも同会を発足させて、会員を募集する。

 PLM製品を導入すると主に製造業で、製品開発の効率化や品質向上、コスト削減、開発期間の短縮などが期待できるという。マーケティングビジョン研究所によると、国内でのPLMの市場規模は2001年の1870億円から、2004年には2570億円になると予想されている。IBMはPLM製品で大手のDassault Systemes(ダッソー・システムズ)と連携して、自動車や電機業界を中心にソリューションを販売する。

 PSA会で提供するソリューションの中心は、ダッソーが提供する3次元設計ソフトウェア製品の「CATIA」やコラボレーションとデータの管理製品「ENOVIA」、デジタル・マニュファクチャリング製品「DELMIA」など。CATIAは全世界の自動車メーカー30社のうち、22社が採用しているという。

 IBMは昨年3月にダッソー、トヨタ自動車とPLM分野で提携している。IBMはこれまでダッソーのPLM製品の販売やシステム構築を独自に行ってきたが、「PLM分野は伸びている。人手が足りないのが現状」(IBM広報)で、パートナーを組めるSIやコンサルティング企業を組織することにしたという。現在、PLM製品が広く使われているのは自動車などだが、ほかの製造業にも広がることが予想される。

(垣内郁栄)

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日本IBMの発表資料

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