Borland+Togetherの新製品、またまた「異例の早さ」で登場

2003/2/19

米ボーランドのバイスプレジデント兼Javaビジネスユニット・ゼネラルマネージャ ジョージ・パオリーニ(George Paolini)氏

 最近のボーランドは、新製品のリリースサイクルが早い。Java開発ツール「Borland JBuilder」日本語版のバージョン8はバージョン7のリリースから半年あまりで登場した。今回発表した新製品も「異例の早さ」(ボーランド)で登場する。

 ボーランドは2月18日、Together製品とボーランド製品の統合版としては初めてとなるモデリングソリューション「Borland Together Edition for JBuilder」(3月3日出荷開始)および同製品を含むJ2EE環境の開発製品スイート「Borland Enterprise Studio 5 for Java」(3月26日出荷開始)を発表した。

 「Borland Together Edition for JBuilder」は、Togetherのモデリングソリューション「Together Control Center」をJBuilderとシームレスに統合することが可能となった製品。機能面での大幅な変更はないが、リアルタイムシステムモデリング機能によって、UMLのダイアグラムとコードがリアルタイムに連動する。また、コード上の問題を発見、削減するための検査、測定機能により、発見された問題個所はJBuilderのコードエディタと連動して位置を特定、修正することが可能となった。

 米ボーランドのバイスプレジデント兼Javaビジネスユニット・ゼネラルマネージャ ジョージ・パオリーニ(George Paolini)氏によると、同社が提唱するアプリケーション開発の流れは「Application Life-Cycle Management(ALM)」と呼ばれている。ALMは「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「運用」「変更管理」という複数のフェイズに分割できるが、Together製品をボーランドのラインアップに組み込むことで、ボーランドの製品群はALMのすべての段階に対応することになる。J2EE環境の開発製品スイート「Borland Enterprise Studio 5 for Java」はまさにALMを体現するスイート製品である。

 こういう状況では、J2EE環境を開発ツールの側面から囲い込む戦略と見られても仕方がないが、ボーランドには以前からオープン性を声高に訴求するマーケティング戦略があることも確か。今回も、パオリーニ氏は「囲い込み」というイメージを嫌ってか、「(ボーランドは)ユーザーに選択の自由を与えるのみで、決して囲い込みを行うつもりはない」と断言した。一方で、「ボーランドの製品群は、統合されたソリューションであり、J2EE環境のほぼすべての開発領域をサポートする最高のソリューションと言えるだろう」とコメントするのを忘れはしなかったが。

 J2EE環境の開発ツール群では「圧倒的な強さを誇る」(パオリーニ氏)ボーランド。今回のスイート製品出荷でますます波に乗りそうだ。そして、同社が狙う次の標的が.NET環境なのは言うまでもない。

(編集局 谷古宇浩司)

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