「悪意なき情報流出が増加」、電子メール管理が課題に

2003/2/25

クリアスウィフトのシニアマーケティングマネージャー 宮本哲也氏

 「電子メールの使いやすさと危機意識の低さによる“悪意なき流出”が多い」。クリアスウィフトのシニアマーケティングマネージャー 宮本哲也氏は、日本ヒューレット・パッカードが開いたイベント「hpセキュリティフォーラム2003 セキュリティアプライアンスソリューション セミナー」でこう述べた。ほとんどの企業がアンチウイルスツールを導入したように、今後は多くの企業が電子メールの管理ソリューションを導入すると予測した。

 クリアスウィフトは電子メール監視ソリューション「MAILsweeper for SMTP」を販売。HPと提携して、電子メールの情報流出を防止する専用アプライアンスを販売している。

 宮本氏によると電子メールの利用で、企業の販売戦略や顧客情報が流出する事件が近年増加。特に顧客情報を流出させた場合、「訴訟に巻き込まれる場合もあり、企業のリスクは高まっている」と指摘した。

 訴訟リスクとともに企業が恐れるのが電子メールによる情報流出で企業イメージが傷つくことだ。宮本氏は昨年、中央官庁の職員が、省から与えられた電子メールアドレスを使って、愛人と私的な電子メールのやりとりをしていることが報道されたケースを挙げて、「企業の電子メールから送信されたメッセージは、個人の私的なやりとりであってもその企業と結びつけてイメージされる」と説明した。

 企業から電子メールで情報が流出する場合、悪意を持った社員が情報を流すのではなく、電子メールの使いやすさと危機意識の低さが主な原因となる。宮本氏はこれを「悪意なき流出」と説明する。悪意なき流出を防ぐには社内ルール作りに加えて、技術的な仕組みが重要だ。クリアスウィフトのMAILsweeper for SMTPは送信先の制御や電子メールの内容によるキーワードフィルタリングが可能。イメージファイルや動画ファイルの添付を禁止して、私的な電子メールの送受信に一定の制限を設けることができる。

 業種によっては、電子メールは電話以上に重要なビジネスツールになっている。ただ、電子メールはさまざまな使い方ができるだけに情報流出や私的利用が簡単だ。電子メール管理の市場は今後さらに広がることが予想される。

(垣内郁栄)

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