「セントリーノ」発表は世界に先駆け日本が最初

2003/3/4

 米インテルは省電力の新CPUを含む新プラットフォーム「Centrino」(セントリーノ)を3月12日に世界で発表する。時差の関係で日本の発表が世界で一番早い。インテルはセントリーノを搭載したベンダの新PCを多数展示して、メリットをアピールする考え。出荷が前年割れするなど低迷するPC市場の起爆剤にセントリーノはなるか。

 セントリーノは新開発の「Pentium Mプロセッサ」、「855チップセット・ファミリ」、無線LANを可能にする「PRO/Wireless 2100 ネットワーク・コネクション」で構成。この3つを搭載したPCのみが、セントリーノのロゴを付けることができる。

事前説明会でセントリーノの機能を紹介したインテルのクライアント&ソリューション マーケティング セントリーノ マーケティング マネージャ 菅原直人氏

 「0からアーキテクチャを開発した」(インテルのクライアント&ソリューション マーケティング セントリーノ マーケティング マネージャ 菅原直人氏)というセントリーノの特徴は省電力とワイヤレス対応。Pentium Mプロセッサは1.6GHzから900MHzまで6種のラインアップを用意。そのうち1.1GHz版は低電圧版で、900MHz版は超低電圧版だ。セントリーノは必要なところだけに電力を供給する「400MHz省電力システムバス」や、Pentium 4プロセッサから採用しているアプリケーションに対して最適な電力を提供する「拡張版Intel SpeedStep テクノロジ」を用意している。

 セントリーノは、クロック数が上回るPentium 4と比較して、パフォーマンスが高いといわれている。だが、パフォーマンスが高いにもかかわらず、同じ条件でのバッテリ駆動時間はPentium 4よりもセントリーノの方が長いようだ。セントリーノは0.13μmプロセスで開発されているが、インテルは今年後半にも90nmプロセスのセントリーノも投入する予定で、パフォーマンスはさらに向上すると見られる。

 セントリーノのもう1つの特徴である無線LAN対応機能は、PRO/Wireless 2100 ネットワーク・コネクションが提供する。対応する無線LANの規格は「802.11b」で、今年6月までに802.11aと802.11bの両方に対応するデュアルバンド版のセントリーノも出荷する予定。インテルはセントリーノにワイヤレス機能を標準搭載することで、無線LANが利用できるノートPCを増やして、世界の無線LANマーケットを一気に拡大する狙いがある。インテルは無線LANを展開しているインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)などと協力して、無線LANの普及を促進するキャンペーンなども展開する。

 3月12日のセントリーノ発表会では、各ベンダが17種のノートPCを展示する。インテルはセントリーノのプロモーションのために世界で3億ドルを使う予定で、大々的なキャンペーンを展開する。だが、セントリーノの投入でインテルにはモバイル向けのプラットフォームとして、セントリーノとPentium 4、Celeronなどが混在することになる。セントリーノはフルサイズのノートPCからサブノートPC、タブレットPCまで「日本で売っているノートPCは、ほとんどセントリーノでカバーする」(菅原氏)という。Pentium 4など既存のCPUを搭載したノートPCは、セントリーノ搭載PCと併売される見込み。また、無線LAN機能を搭載しないためにセントリーノロゴは付かないが、プロセッサはPentium MというノートPCも登場するかもしれない。さまざまなブランドが乱立することで、ユーザーの間に混乱が広がる可能性もある。

(垣内郁栄)

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