Linux参入のベリタス、「エンタープライズへの浸透を加速」

2003/3/15

 ベリタスソフトウェアはLinux市場への参入を正式発表し、ストレージ管理ツールなど3製品の出荷を発表した。今後、ストレージやデータベース関連の製品を発表する予定。ベリタスの代表取締役社長 木村裕之氏は、「ベリタスの参入で、Linuxのエンタープライズへの浸透を加速させたい」と意気込みを述べた。

 ベリタスが今回発表したのは3製品。「VERITAS Foundation Suite 2.0 for Linux英語版」は、ストレージを仮想化して管理するツールの「VERITAS Volume Manager」と、システムのスケーラビリティを高める「VERITAS File System」を統合したストレージ管理ソリューション製品。Linux標準のボリューム管理とストレージ管理を、ミッションクリティカルなレベルまで高めるという。ベリタスによると、ファイルサーバ環境でFoundation Suiteを使うと、Red Hat標準システムの約5倍のスループットになり、応答時間が3分の1になるという。対応LinuxはRed Hat Linux Advanced Server 2.1で、価格は1CPUあたり24万8000円から。4月11日に出荷する。

米ベリタスソフトウェアのLinux戦略担当ディレクタ ラナジット ネバティア氏。「Linuxコミュニティへも貢献したい」と述べた

 データ保護、データバックアップ製品の「VERITAS NetBackup」、クラスタリングを管理する「VERITAS Cluster Server」も今年第2四半期(4-6月)に出荷を開始する予定となっている。

 ベリタスではそのほかに、Linux向け製品としてレプリケーションツールの「Volume Replicator」や、「Global Cluster Manager Agent」、SAN管理の「SANPoint Control」、Oracle9i Real Application Clusters(RAC)対応のバックアップ管理製品「VERITAS Database Edition AC for RAC」などの出荷を予定している。米ベリタスのLinux戦略担当ディレクタ ラナジット ネバティア(Ranajit Nevatia)氏はDatabase Edition AC for RACについて、「DBのスケーラビリティを完全にするには堅牢なバックアップが必要。Database Edition AC for RACは完全なバックアップを提供する」と強調した。

 ベリタスは同社の製品すべてを全プラットフォームに対応させると発表している。今回のLinux対応製品もその戦略の一環。Linuxをはじめ、WindowsやUNIX、メインフレームが混在する企業システムで、管理の効率化を進めるのが狙いだ。ネバティア氏は、「企業システムはかなり複雑になっている。しかもそれをバックアップしようとするとさらに複雑性が増す」と説明。「ベリタスのLinux製品を導入することで、システムをシンプルにできる」と述べた。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
ベリタスの発表資料(1)
ベリタスの発表資料(2)

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