中小企業にReady to Useのセキュリティを提供

2003/4/22

 サイボウズと日本ベリサインは、中小企業向けに電子証明書を利用したグループウェアツールの提供で提携したと発表した。サイボウズによると、セキュリティ対策を強化したグループウェアツールの提供は国内初で、同社代表取締役社長兼CEOの高須賀宣氏は「ユーザーのセキュリティへの疑問に対する明確な回答だ」と述べた。

サイボウズ代表取締役社長兼CEO 高須賀宣氏(左)と日本ベリサインの代表取締役社長兼CEO 川島昭彦氏

 両社が提供するのは、サイボウズのグループウェア「サイボウズAG」とベリサインのSSLサーバ証明書「サーバID」を組み合わせたパッケージ「サイボウズ セキュアパック」(仮称)。グループウェア内のやりとりでSSLを使った暗号化通信を可能にする。本社と支社の間の通信を暗号化したり、携帯電話やPDAなどモバイル機器を使ったグループウェアへのアクセスも暗号化して、セキュリティを向上させるという。グループウェアで重要な顧客情報をやりとりしたり、社内の機密情報を扱うことが多くなり、セキュアなグループウェアが求められていると両社は判断した。

 ターゲットにする企業は、xSPなどのホスティングサービスを使ってグループウェアを稼働させている50人以上100人規模の中小企業や大企業の部門、グループなど。サイボウズ セキュアパックは、ホスティングサービスを運営するxSPやiDCを通じて企業に提供する。ホスティング環境をプラットフォームにすることで、独自にサーバを構築しているケースに比べて、SSLの設定を簡単にし、初期導入コストを抑える考え。技術的な障壁をなくすことで、専任の担当者がいない企業でも、SSLやグループウェアを導入しやすくなると判断した。日本ベリサインの代表取締役社長兼CEO 川島昭彦氏は「中小規模の企業にフォーカスしたReady to Useの製品だ」とサイボウズ セキュアパックをアピールした。

 サイボウズ セキュアパックの価格は、サイボウズAGとサーバIDを別々に導入するのに比べて、割安になる予定。6月中旬に提供開始する。ベリサインでは、「年内に5〜10社のxSPにパートナーになってもらいたい」としている。両社はユーザー事例を共同で紹介するなどマーケティングでも協力する。クライアント証明書サービスやVPN構築プログラムなども今後提供を検討する方針で、中小企業をターゲットにセキュリティを売り込んでいく。

(垣内郁栄)

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サイボウズの発表資料

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