[caworld 2003開催]
リーナス、Linuxとオープンソースの未来を語る

2003/7/18

 「caworld 2003」最終日の7月15日、現在のLinuxムーブメントを代表する“セレブリティ”たちが一堂に会し、ラウンドテーブル形式の記者会見を行った。司会役の米コンピュータ・アソシエイツ Linuxテクノロジ・グループ チーフ・アーキテクト サム・グリーンブラット(Sam Greenblatt)氏が冒頭、CAのLinuxに対する貢献(Cluster Management、Web Management、Service Orientation、New Storage System、New Network System、New Network Options、New Application Deployment Model)を紹介した後、SCOの訴訟行動とオープンソース・コミュニティとの関係や将来展望をはじめとした幅広いテーマについて討論を行った。

左からリーナス・トーバルズ(OSDL Fellow)氏、Jon maddog Hall(Linux International President/Executive Director)、Larry Augustin:Chairman(米VA Software)、Jay Peretz(米オラクル Vice President, Partner Technical Services)、Michael Evans(米レッドハット Vice President Channel Sales&Development)、Juergen Geck(独SuSE Linux CEO)

 現在、OSDLのフェローであるリーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)氏は、ほかの登壇者に比べて発言の機会が少なかったが、これは前日のLinux Solution Dayのパネルディスカッションで、現在のオープンソース・コミュニティに対する考えを十分に吐き出してしまったからかもしれない。

 パネルディスカッションでSCO絡みの問題について話したTorvalds氏は「問題はLinuxとUNIXとの対立という観点にはない」とし、ソフトウェアは過去20年間にハードウェアがたどってきた進化と同じような道を歩むようになる、とコメントした。つまり、OSをはじめとしたソフトウェアの基本的な骨組み(思想)が完成しつつある今、後は強力な力を持つベンダが付加価値を付けて、成熟への道を歩んでいくという趣旨である。コンピュータ・ハードウェアのアーキテクチャも、その基本思想は20年前と変わらない。明らかに違うのは、進化し続けた周辺テクノロジである。

 トーバルズ氏は、Linuxおよびオープンソースも上記のような進化をし始めたとし、(今回のような)法的な問題を気にすることはない、と話す。トーバルズ氏のこのような意見を受けて、独SuSE LinuxのCTO Juergen Geck氏は、UNIXを搭載したシステムはすでにLinuxを搭載したシステムにリプレースされつつあると指摘、米VA Softwareの会長Larry Augustin氏は「自分にとってLinuxは、次世代のUNIXだ」とコメントするなど、UNIXから誕生したLinuxが、UNIXを駆逐するとも取れる発言を展開した。

 UNIXがLinuxに駆逐されるかどうか、あるいはこの議論自体の成否はさておくとしても、Linuxを巡り、IBMやHPといったベンダが巨額の予算を付けて“付加価値”の開発を行っていることは確か。これはまさにUNIXがたどってきた道であり、巨視的な視野で見ればトーバルズ氏の指摘が正しいといえる。

(編集局 谷古宇浩司)

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