あなたのPCを守るために、MSにできること

2003/9/17

マイクロソフト 代表取締役社長のマイケル・ローディング氏

 マイクロソフトは9月16日、Windowsを搭載したPCのセキュリティを向上させるキャンペーン「Protect Your PCキャンペーン」を開始すると発表した。キャンペーンの内容は、全登録ユーザーに向けて電子メールでWindows Updateの告知を行うことやセキュリティ上のアドバイス広告を、新聞を始めとしたメディアで展開すること、Windows XP セキュリティ対策CDをパソコン専門店の店頭などで配布することなど多岐に渡る。MSBlastの被害はWindowsの修正パッチをインストールすれば防げた可能性が高いと同社では認識しており、今回の啓蒙活動を通して、同社のセキュリティに対する意識の高さをあらためてアピールするとともに、ユーザーに対してセキュリティ対策の具体的な方法の伝授を行う。

 キャンペーン戦略の骨子は、メディアの種類を問わず、わかりやすい言葉で、なおかつ統一されたメッセージを継続的に発信していくこと。加えて、メッセージを保管するために、同社が提供するWindows Updateなどのサービスの存在と具体的な使用方法の解説を展開していく。同社が薦める「PCを守るための3つのステップ」とは、(1)ファイアウォールの利用、(2)Windows Updateの使用、(3)ウイルス対策ソフトウェアの利用、だ。非常にシンプルなメッセージだが、このシンプルなセキュリティ対策の実行さえも「敷居が高い」と感じるPCユーザーは少なくない。このことは、MSBlastの登場であらためて同社の危機感につながったといえる。

 マイクロソフトは全世界規模で「Trustworthy Computing」構想に基づく取り組みを展開しており、今回のキャンペーン企画も「Trustworthy Computing」の一貫として進められる。「Protect Your PCキャンペーン」そのものは世界共通の取り組みだが、一部日本独自の取り組みに、ナローバンドを利用するWindows XPユーザーをターゲットとした、パソコン専門店店頭でのCD-ROM配布企画がある。Windows XP SP1とセキュリティ修正プログラム、自動更新機能の有効化、セキュリティ対策情報などがCD-ROMに収められている。マイクロソフト 代表取締役社長のマイケル・ローディング(Michael Rawding)氏は「キャンペーンの中身は共通だが、細かい取り組みでは各国で若干の差がある」と話し、パソコン専門店が多い日本国内の独特の事情をほのめかした。

 電子メールの告知は9月16日に開始し、広告展開は9月19日、CD-ROMの配布は9月20日(9月17日からWPC EXPO 2003で先行配布あり)から行う。

(編集局 谷古宇浩司)

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マイクロソフト「Protect Your PC」のページ

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