OPERA、Webブラウザを超えた存在を目指す

2003/9/27

Opera Software ASA CEOのヨン・テツナー氏

 Opera Software ASAは9月26日、Windowsプラットフォーム向けWebブラウザOPERA 7.20日本語版を発表した。今回のバージョンでは、処理速度と性能向上に関する調整を行い、アラブ語やヘブライ語のように右から左方向に記述する言語のサポートを行うなど、これまでのOPERAが持つ強みをさらに強化した。来日した同社CEOのヨン・テツナー(Jon S.Tetzchner)氏は「OPERAはWebの標準技術を豊富にサポートしながら、バージョン1.0よりも少ないリソースで動作する地球最速のブラウザ」と胸を張る。

 機能面での特徴は、W3CのDOMやCSS1/2、ECMA Script、HTML 4.01、WML 1.3/2.0に準拠、ダイナミックHTMLもサポートした。また、Webページの機能を損なうことなく、携帯電話などの小型画面を持つ機器向けにWebページのレイアウトを作り直す「Small Screen Rendering」技術を搭載した。さらに、クリック1つでパスワード認証付きのページからログインを可能にする認証管理機能、ページに含まれる多くのリンクの中から、ユーザーが次に訪れるであろうページをOPERAが自動的に予測し、「進む」ボタンから移動を可能にする「Fast Forward」機能など10以上の機能強化を行った。

 OPERAの展開は、PC上にとどまらない。「スクリーンがあり、インターネットに接続している環境であれば、OPERAのテクノロジは応用できる」とテツナー氏が言うように、携帯電話やPDA、テレビ、カーナビなどの車載機器などなど、応用範囲は幅広い。ヨーロッパではエリクソン、ノキアと提携し、WAP対応の携帯電話上でOPERAの技術を応用したモデルを発表し、フランスではデジタルTVに組み込む計画も進んでいる。日本国内では、ゲーム専用機にOPERAのWeb技術を組み込む話も進んでいるようだが、詳細は不明。IBMとは、音声認識技術とOPERAとの融合を行う研究を開始しているという。

 マウスだけ、あるいはキーボードだけで使えるという操作系の向上から、UIの新奇さ、最新Web技術の導入など、ブラウザを介して積極的なWeb技術の革新を推進するOPERAの可能性は、Webブラウザというカテゴリを超え、さらに拡大していく可能性がある。

(編集局 谷古宇浩司)

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OPERA日本語サイト

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