[@IT的進路相談博開催]
ITエンジニアの不安に応えることは可能か?

2003/9/30

午後の「社会人ITエンジニアの学び方指南所」トラックで「社会人ITエンジニアが学ぶ理由」を講義する稚内北星学園大学 学長 丸山不二夫氏

 ITエンジニアとして、今後どうあるべきか。どんなスキルを学ぶべきだろうか。転職を考えるべきだろうか? 多くのITエンジニアにとって切実な自分の将来のキャリアやスキル。それが見えなかったり、迷ったりした場合、将来への漠然とした不安となる。

 こうしたITエンジニアの不安にどこまで応えられるのか。9月27日に開催されたイベント「@IT的進路相談博」(主催:@IT自分戦略研究所と稚内北星学園大学)は、そうしたITエンジニアの不安を、「出張! 自分戦略研究室」「@ITジョブエージェント的転職相談」「社会人ITエンジニアの学び方指南所」と題した3つのトラックで応えようとした。

 そうした3つのセッションに先駆け、「@IT自分戦略研究所発 社会人ITエンジニアの三種の神器〜自分戦略、その実現方法、学びへの取り組み〜」と題してパネルディスカッションを行った。パネリストとして稚内北星学園大学 学長 丸山不二夫氏、アーキット代表取締役 堀内浩二氏、テクノブレーン 人財事業部 ゼネラルマネージャー 堀川雅臣氏の3氏、それにモデレータのアットマーク・アイティ 代表の藤村厚夫が、あらかじめ出席者から募っていた疑問に対して答えるという形でディスカッションを進めた。

「出張! 自分戦略研究室」トラックの「起-動線な自分戦略策定法」で講演するアーキット代表取締役 堀内浩二氏氏

 パネルディスカッションの冒頭、藤村が3氏に問うたのは、「自分戦略にとって最も重要なことは?」。それに対して丸山氏は、「一番新しいことにキャッチアップすること」、堀川氏は「職務経歴書を書いてほしい。それを常にアップデートすること」、堀内氏は「もがいてほしい。考えて動いて、また考え動くこと」と答えた。

 3氏のパネリストが強調したのは、「考える前に行動しよう」ということ。堀内氏は、進みたい道が分からない場合、考えているだけでは駄目な場合があるという。「望むなら考えてから動くのが望ましいが、いい考えが浮かばないのであれば、取りあえず動く」ことが重要だと語った。

 転職でも同じ、というのは堀川氏の主張だ。「転職の場合、(求職者に)こういう企業はどうかと紹介したとき、『考えさせてください』といわれることがあるんですが、こちらが『いいですよ。しかし、何をどう考えるのですか』と聞くと答えがない」という。どんな企業か(実際に転職する、というわけではなく)自分の目で見てもいいのではないか、そのためには「まずは動くこと」。それが大事だという。

テクノブレーン 人財事業部 ゼネラルマネージャー 堀川雅臣氏(左)とアットマーク・アイティ 人財局 小林教至。20歳代で許される転職回数は、といった転職の疑問に答えていた(「いまさら聞けない! 転職の素朴な疑問にお答えします」トラック)

 「今後の新しい技術スキルを学ぶことに不安を感じているが、どのように新しい技術を吸収できるのか」、との疑問に対して丸山氏は、「いま、社会が関心を持っているスキルは何か、それを把握する能力が必要だ。いまの技術がどこにあり、どこへいくのか。それをするためには学ぶことに尽きる。さまざまな人から情報を集めること。1人でもいいから相談できる人がいることが重要だ」と述べるとともに、稚内北星学園大学がその相談を受ける窓口になれると強調した。

 それ以外にも、企業内(ユーザー企業の)ITスタッフのキャリアパスやフリーランスの将来についてなど、さまざまな疑問について4人が次々に答えていた。

 午後は前述したように、「出張! 自分戦略研究室」(堀内氏と藤村が担当)、「いまさら聞けない! 転職の素朴な疑問にお答えします」(堀川氏とアットマーク・アイティ 人財局 小林教至が担当)、「社会人ITエンジニアの学び方指南所」(丸山氏のほか、稚内北星学園大学の講師陣が担当)の3つのセッションに分かれて講師と参加者との間で積極的な議論が行われた。

午後の「社会人ITエンジニアの学び方指南所」トラックの1コマ。稚内北星学園大学の選任講師がJava、ネットワーク、Linux別に参加者からの疑問、質問に答えていた

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@IT自分戦略研究所

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