“再建屋”が選んだ凄腕たちが日本テレコムの運命を握る

2003/10/2

リップルウッド マネージング・ディレクターのジェフリー・ヘンドレン氏
スプリント 前CEO ウィリアム・エズレー氏
スプリント 前COO ロナルド・レメイ氏

 10月1日、日本テレコムの今後の運命を決める経営陣のお披露目が都内で行われた。新取締役候補として、「再建屋」リップルウッドが白羽の矢を立てたのは、地方の一通信会社に過ぎなかったスプリントを全米3位の企業に躍進させた前CEO ウィリアム・エズレー(William T. Esrey)氏と前COO ロナルド・レメイ(Ronald T. LeMay)氏の2名。リップルウッドからは、CEOのティモシー・コリンズ(Timothy Collins)氏、マネージング・ディレクターのジェフリー・ヘンドレン(Jeffrey M. Hendren)氏が取締役として経営に参画する。

 また、ゴールドマンサックスとニューブリッジ・キャピタル、PRMベンチャーズ、およびテレコム・ベンチャー・グループらが、リップルウッドと共同で日本テレコムに追加投資を行うことも明らかにした。ヘンドレン氏は、共同出資の理由を「NTTの巨大なパワーに対抗するため」とし、通信業界の巨人を本気で倒す意気込みをみせた。このことは単に市場競争上の優位を確立するだけではなく、自ら(日本テレコム)がNTTの対抗勢力に成長しなければ「日本の通信市場も、米国と同じような(旧体制の巨大企業が、採決されたはずの規制をむりやりひっくり返すような)悲劇が起きかねない」という市場全体の“健全性”を考慮する姿勢を示す目的もあるようだ。

 エズレー氏とレメイ氏の“登用”は、地方の一電話会社を年間収益280億ドルの国際的な通信企業に成長させた実績を認められてのこと。エズレー氏は「ワイヤレス分野で、当時まだ誰も着手していなかったCDMAの展開を業界に先駆けて着手し、数多のライバルを抜き去って業界3位の位置にまで成長させた」と自らの豪腕をアピール、市場創出の第1人者であることを強調した。

 レメイ氏も負けてはいない。「変化は友」「市場の変化への対応力こそがわれわれの武器である」など、市場の変化、ニーズの変化に対する柔軟なかじ取りに自信をみせ、スプリントでの経験を生かしながら、日本テレコムが主戦場とする音声通信分野でも業界のリーダーシップを担っていく考えを示した。戦略については、レメイ氏はこうコメントする。「音声通信インフラのトレンドはIPテクノロジに移行している。IPテクノロジをベースとし、低料金でメニューが豊富な新しいサービスを提供することで音声通信市場の覇権を握る」。

 なお、取締役候補内の役職の内訳は現段階では「公表できない」(ヘンドレン氏)が、直接指揮を執る社長職は「日本人から選ぶ」(エズレー氏)可能性が高いという。

(編集局 富嶋典子、谷古宇浩司)

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